質を高めたければ、量をこなせ
AI事業を推進していると、改めて「量がものをいう」ことを強く感じます。AIの学習におい
て、膨大なデータや情報は不可欠であり、それがAIの精度を左右するのは事実です。
しかし、その「量」もただ多ければ良いわけではありません。質の高い成果を生み出すには、
目的に合った良質なデータが必要です。
例えば、AIに火災を検知させるための学習データを用意する場合、焚火の映像だけを大量に学
習させてしまうと、住宅火災を正確に検知できない可能性があります。同じ「火」であって
も、焚火と住宅火災では背景や状況が異なるため、それを区別するためのデータが必要です。
AIが正しく判断するためには、データの整理整頓が不可欠であり、適切なデータを大量に提供
することで、より精度の高い結果が得られるのです。
これは人間の学習にも通じる部分があります。良質な情報に絞り込み、それを反復して量をこ
なすことで、実力が着実に向上します。近道や効率化をうたう手法が多く目に付きますが、実
際には、質を上げるための最も効果的な手段は、目的に合った情報を反復し続けることです。
ツールによって時間を短縮することはできても、道そのものが短くなることはありません。
結局のところ、質を向上させたいならば、まずは量をこなす覚悟が必要なのです。整理された
情報を大量にこなし、繰り返し反復することでこそ、真の成長が得られるのだと思います。