サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。

2025.01.21

社員の給料ってどう上げるの?

先日、韓国の大学生が当社を訪問してくれました。会社見学が目的でしたが、私
はふと、気になる韓国の物価の話を聞いてみました。
すると、日本と韓国(ソウル)の物価はほぼ変わらないという答えが返ってきた
のです。

日本はここ30年、物価を抑え続けてきました。世界中が物価高騰に悩む中で、
あたかも鎖国でもしているかのようなこの「抑制力」はある意味で日本の技術
力と安定性を示しているとも言えます。

物流、商流、情報が世界中でつながっているこの時代にどうして、日本だけ物価
が抑えられたのか? 私はこのことがほうがすごいことのように思えるのです
が、そこを議論しないことがちょっと不思議です(笑)

数年後には、これが世界で評価される日が来るかもしれません。そしてその時、
日本が再びチャンスを掴む未来があると感じます。

とはいえ、今の日本にとって最優先課題は「給与をどう上げるか」です。これ
は企業だけでなく、社会全体が直面する重要なテーマです。

<日本企業が挑む「給与アップ」の手法>

給与を上げると言っても、その方法は多岐にわたります。単純にベースアップす
るだけではなく、企業ごとの工夫や戦略が求められます。
私自身、「給与アップ」は、単なる賃金の増額ではなく、さまざまな要素をクロ
スさせながら行うのが最善だと考えています。

1. 手当や報酬の見直し

・手当の拡充
住宅手当や子育て支援手当を見直し、従業員の生活費負担を軽減する企業が増え
ています。具体的な負担軽減は、従業員の満足度を向上させます。

・一時金の支給
物価高騰に対応して、一時的なボーナスや臨時金を支給する企業も多く見られま
す。これは即効性があり、生活支援として有効です。

・賞与の増額
業績連動型の賞与を増やすことで、企業の成長を従業員と共有する仕組みが広が
っています。

2. 福利厚生の充実

直接的な賃金アップだけでなく、福利厚生の充実を通じて
「実質的な給与アップ」を実現する企業もあります。

・社員食堂の無料化や補助金の増額
・保育施設の設置や利用補助の拡大
・健康診断や医療費補助の充実

3. スキルアップ支援**

長期的な視点で従業員の市場価値を高めることは、給与アップの基盤となります。

・教育訓練の強化
資格取得支援やオンライン学習ツールの提供などを通じて、従業員のスキルアッ
プを支援します。

・キャリア形成の支援
社内外の研修プログラムやキャリア開発プランの提供で、従業員の成長をサポー
トします。

4. 評価制度の見直し

・成果主義の導入
一律の賃上げではなく、個人の成果や貢献度に応じた評価制度を導入する企業も
増えています。これにより、従業員が正当に評価される環境が整います。

<「給与アップ」と「働く価値」の再設計>

給与を上げることは、単に金額を増やすだけではありません。それは従業員が
「ここで働いてよかった」と感じる環境を作ることです。そのためには次の視点
が重要です。

<働くことに希望を>

社員の給与を上げることは、働くことへの誇りや希望を従業員に感じてもらうた
めの手段です。賃上げを通じて、企業と従業員が一緒に未来を描き、成長してい
く姿を目指すべきです。

皆さんの職場では、どのような取り組みが進んでいますか?給与アップの方法を
再考し、働くことの価値を改めて見つめ直すことが、これからの企業と社会の課
題です。

給与のあり方は、企業だけでなく、社会全体を映し出す鏡でもあります。
私たち一人ひとりが「働くことの価値」を再考し、より良い未来を創るために共
に考え、行動していきましょう。

2025.01.09

遅すぎる成長を楽しむ還暦の挑戦

「大器は晩成」とはよく言いますが、私はその「大器」をずっと隠したまま、数え年で還
暦を迎えることになってしまいました(笑)

今年で60歳、多くの人が老後や第二の人生について考え始めるお年頃です。しかし、私は
少し違います。覚えの悪い私は、ようやく社会や経営の全体像が見えてきたように感じて
います。

そして、その「遅すぎる成長」を楽しんでいる自分がいます。

還暦とは 干支は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせで構成さ
れ、60年で一回りします。この60パターンの組み合わせは「十干十二支」と呼ばれ、60年
後に元の暦に戻ることを「還暦」と表現します。つまり、60年は生まれ変わりを意味して
います。

私が起業したのは28歳のときでした。「世界に通用する組織を作りたい」と考えたのがき
っかけです。この志は、恩師である石井連藏先生の「世界に通用する人間になれ」という
言葉に深く影響を受けたものでした。 また、個人的な理由もありました。私は才能に恵ま
れた人間ではありません。個人の能力だけでは限界があることを痛感していた私は、組織
の力を信じる道を選びました。

「才能ある個人に立ち向かうには、組織力で勝負するしかない」

と思い、大谷翔平選手のような類まれな才能を持つ人たちに対抗できる組織を作ろうと決
意したのです。

それから今日まで、経営者として非常に長い「どん底」の時期を味わいました。試練の連
続でしたが、その過程で培ったのは、並外れた精神力と運です。経営者としての経験は、
試練と失敗の中で磨かれていくものだと実感しています。

そして、今、当社はようやく本当の成長期に入ろうとしています。この瞬間を心から楽し
みにしています。私たちの目指すのは、かつて日本が大きな志のもとで世界に羽ばたいた
企業のように、「世界に通用する組織」を作ることです。

お客様、株主、そして従業員–

すべての関係者とともに、この目標に向かって歩んでいきたいと思います。これまでの経
験を活かし、未来へ向けて一歩一歩進んでいくつもりです。

この挑戦には、皆様の力が不可欠です。お客様の声、株主のご支援、従業員の努力が一体
となることで、私たちの目標は実現に近づきます。どうか、これからの私たちの歩みを見
守り、そして力添えをいただければ幸いです。

遅すぎる成長…それは、ただの遅れではなく、豊富な経験をもとに新しい挑戦を始めるた
めのタイミングです。この還暦の挑戦を、どうか一緒に楽しんでいただけたらと思います。

これからも、何卒よろしくお願い申し上げます。

2025.01.01

謹賀新年

2024.12.19

ハチャメチャが生んだ成長力

そして、この「伝説」を語り合う内輪のコミュニティが、次第に世間から孤立し、業界全

昭和の高度経済成長期。それは、混沌とした中で日本が奇跡的な経済発展を遂げた時代で
した。現代の視点から見ると、その時代の職場文化や社会のあり方には、到底容認できな
い行為や価値観があったかもしれません。しかし、昭和のハチャメチャさには、確かに
「成長を生む力」があったのも事実です。そして、現代アジアの急成長を目の当たりにす
ると、同じようなエネルギーを感じずにはいられません。

【昭和時代のハチャメチャな上司とカリスマ経営者】

昭和の職場には、今では考えられないような上司や働き方がありました。
「これが仕事だ!」と飲み会を強制し、酔った勢いで部下を叱咤激励する上司。何の根拠
もなく無理難題を押し付け、「やってみせろ」と突き放す一方で、やり遂げれば全力で褒
め称える。女性には「早く結婚しないのか?」と言い放つ。確かに、これは現代の職場で
はパワハラやセクハラとみなされる行為ですが、その中からたくましい人材が育ったのも
また事実です。

このようなハチャメチャさが、昭和の日本を経済大国へと導いた原動力だったのかもしれ
ません。そして、現代アジアを見てみると、成長を支えるエネルギーの源泉に、かつての
昭和と似た「勢い」を感じます。

【アジアの発展と交通ルールの不完全さ】

例えば、交通ルール一つをとっても現代のアジアの一部の国々ではまだまだ未整備な部分
が目立ちます。信号を無視する車、交通ルールを守らないで道路を渡る人々。それでも驚
くべきスピードでインフラが整備され、経済が発展していく姿は、昭和の日本の姿を彷彿
とさせます。

「ルールを守らない=発展しない」という固定観念は、ここでは通用しません。

むしろ、ルールの不完全さを力強いエネルギーに変え、混沌の中から新たな秩序を生み出
しているようにさえ見えるのです。

【カリスマ経営者の存在が生む力】

海外に目を向けると、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのようなカリスマ経営者
が、週80時間以上働きながら、世界を変えるイノベーションを生み出しています。このよ
うな圧倒的な存在が、企業を牽引し、社会全体にインパクトを与えているのです。

一方、日本では、こうした圧倒的なリーダーシップを発揮する人物が少なくなったように
思えます。小さな問題にこだわり、周りは、袋たたきの批判を繰り返すだけでは、世界を
導く人材は生まれません。私たちが今本当に必要としているのは「圧倒的な存在感」を持
ち、全力で挑戦し続けるリーダーです。

【成長を支える「無秩序の中の秩序」】

昭和の日本も、現代のアジアも、共通しているのは「無秩序の中の秩序」です。
一見するとハチャメチャな中にあるエネルギーが、イノベーションを生み出し、成長を支
えてきたのです。厳格なルールや正論だけでは、突き抜けた成長は難しいのかもしれませ
ん。昭和の私たちの父の時代は、毎晩安い居酒屋で腕まくりをして、これからの日本の議
論をしている親父たちは多くいたと聞きます。そのようなパワーある方向性を取り戻せな
いものでしょうか?

【結論:小さな批判で大きな夢をつぶさないで】

昭和の時代のように、ハチャメチャで勢いのある文化を完全に否定するのではなく、そこ
から何を学び、どう活かすかを考えるべきです。現代の日本にも、世界を導く「圧倒的な
存在」が必要です。小さな問題を批判することにエネルギーを費やすよりも、未来を切り
拓く大きな夢を語り、行動する時代にしていきましょう。

ハチャメチャな上司や混沌とした環境が生んだ成長力をもう一度見直し、そこから得られ
る教訓を、未来の日本とアジアに活かしていく。それこそが、次なる成長を実現する鍵な
のではないでしょうか。

2024.12.10

どっち見て仕事しているの?~伝説を作りたがる業界がファンを減らす理由~

当時のテレビ解説者たちは「日本にノーベル賞受賞者が少ないのは詰め込み式の学習のせ
政界や芸能界、そしてテレビ業界には、「伝説づくり」という文化があるように思います。
特定の人物を過剰に持ち上げ、「伝説の人」として祭り上げる傾向です。このような文化
は、業界内部では盛り上がるかもしれませんが、外の世界、つまり一般の人々にはその価
値がわかりにくい場合が多いのです。

そして、この「伝説」を語り合う内輪のコミュニティが、次第に世間から孤立し、業界全
体の成長を妨げることになりかねません。

【自分たちだけの世界で盛り上がる危うさ】

昔、私が音楽業界に携わっていた頃、あるジャズ愛好家と話す機会がありました。
私はジャズの魅力を知りたくて質問を重ねたのですが、返ってきたのは冷たい一言。「わ
からない奴にはわからない」。本人のプライドとわからない人を子馬鹿にしたような言い
方・・・その瞬間、ジャズという音楽の素晴らしさをもっと理解したいと思っていた気持
ちはしぼんでしまいました。

このエピソードは、内輪の盛り上がりがどれだけ新しいファンを遠ざけてしまうかを象徴
として書いています。「わかる人だけがわかればいい」という姿勢は、新しいファンの獲
得を難しくします。その結果、業界は自ら狭い世界に閉じこもり、ファンを減らしてしま
うのです。それが、TVを取り巻く環境の中で政治、芸能界などに多くあるような気がしま
す。

【「わからない」を「わかる」に変える工夫】

どんな分野でもその魅力を外部の人々に伝える力が重要です。ジャズに限らず、政治やビ
ジネスの世界でも、専門用語や内輪だけで通じる論理では、外の世界には響きません。政
治家が一般市民に向けて政策の意義をわかりやすく説明する努力をすれば、もっと共感を
得られるかもしれません。同様に、業界関係者が「内向き」ではなく「外向き」に価値を
伝えることが、成長の鍵となるでしょう。

たとえば、「ジャズってどんな音楽なの?」という質問に対して、「感覚で理解しろ」と
突き放すのではなく、「この曲はこういう情景を思い浮かばせるよ」「このリズムは人生
の躍動感を表しているんだ」「曲の生まれた背景は。。。」といった形で説明すれば、
共感を呼ぶかもしれません。

【 業界の未来は「伝える力」にかかっている】

「伝説」を語ることは決して悪いことではありません。ただ、その「伝説」をいかに多く
の人と共有し、新しい価値観を生むかを考えることが重要です。わかる人たちだけで楽し
むのではなく、わからない人に寄り添い、魅力を伝える努力が、業界全体の成長を支える
基礎になるのです。

万人にわかってもらう工夫は今や大変な作業になっています。十人十色の思考に寄り添っ
て、視覚、聴覚、右脳、左脳に働きかけなければならないかもしれません。人の価値観は
様々で、バイアスを超えることはなかなか至難の業です。仮にそれを打破できた人が老若
男女や国・習慣を飛び越えて本物の伝説として、受け継がれていくのかもしれません。

【私たちができること】

「伝説」を共有し、「わからない」を「わかる」に変えるための工夫を凝らすこと。これ
が、業界を広げ、社会全体を豊かにするための鍵ではないでしょうか。

自分の仕事や属する業界において、内向きになりすぎず、外の人々にその価値を届ける努
力を続ける。それこそが、ファンを増やし、社会に良い影響を与える方法だと思います。

伝説を語るだけではなく、それを多くの人と共有できるようにしていきましょう。それが、
未来を切り開く力となるはずです。

2024.12.03

温故知新~多様性という言葉に飛びつく愚かさ~

「時代に合った生き方は大切だ。しかし、その時代の考えを否定することには意味がない」
これは、私が日々の中で改めて感じることです。
今は「多様性の時代」と言われ、さまざまな価値観が尊重される風潮があります。しかし、
時代が変わるたびに過去を否定し、新しいものばかりを良しとするのは本当に正しいので
しょうか?

<昔の「詰め込み式学習」が示したこと>

私が中学生だった頃、「詰め込み式学習」が批判されていました。
当時のテレビ解説者たちは「日本にノーベル賞受賞者が少ないのは詰め込み式の学習のせ
いで独創性が失われているからだ」と声高に主張していたのを覚えています。
しかし、それだけが原因だったのでしょうか?

詰め込み式学習は確かに欠点もありましたが、それが膨大な基礎知識を身につける機会を
提供していたことも事実です。この基礎知識があったからこそ、多くの技術者や研究者が
活躍できたのです。「独創性を削ぐ」と批判された詰め込み学習がなければ、現在の日本
の学術的な土台はどのようになっていたのか、想像もできません。

その後、「ゆとり教育」という新しい学習方針が登場しました。しかし、それが本当に日
本の教育に良い影響を与えたのか、きちんとした検証はされないままです。こうした教育
政策の変遷を見ると、誰も責任を取らずに変化だけを進めているように感じます。これは
教育だけでなく、多くの分野に共通している問題です。

<労働時間の短縮と収入の課題>

近年、日本の収入が伸び悩んでいると言われています。
その背景には、労働時間と収入が密接に結びついていた日本の働き方が変化したことがあ
ります。かつては長時間労働が当たり前であり、それが収入の大部分を支えていました。
しかし、コロナ禍の影響と働き方改革が進む中で労働時間が短縮され、結果として収入が
減少しています。

例えば、2020年のデータによると、残業時間の大幅な減少により、所定外給与が前年比で
24.6%も減少しました。この影響は特に生活関連サービス業や製造業などで顕著でした。
ただ、これを単純に「収入が減った」とだけ捉えるのではなく、日本の労働環境がどのよ
うに進化してきたかを理解する必要があります。

また、日本の給与水準が国際的な指標と比較されて低いと指摘されていますが、物価が比
較的安定していることや国内の生活環境が整っていることを忘れてはいけません。一方で、
働き方改革が単に「時間を削る」ことだけに終わってしまい、生産性や効率化が十分に進
まなかった点は反省すべき部分です。人で不足の業界がある中で、働き改革を進めなけれ
ばならない矛盾をだれも説明しません。
特に公共部門が率先してDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するべきでした
が、そこが欠けているのが現状です。

<長時間労働の価値と課題>

一方で、イーロン・マスクのように週80時間以上働く超ハードワーカーが注目されること
もあります。彼のような働き方からは、「仕事への情熱」や「成果を出すための努力」の
重要性を学ぶことができます。しかし、長時間労働がすべての人に適しているわけではあ
りません。

私たちが目指すべきなのは、「効率的に働くこと」と「個々の価値を最大化すること」で
す。時間の長さではなく、その中でどれだけの価値を生み出せるかが重要です。

<過去を否定せず、未来へ活かす>

時代に合った生き方を追求することは確かに重要です。しかし、過去を否定してしまうこ
とは、新しい価値を生み出す力を弱めることにもなりかねません。過去の考え方には、そ
の時代なりの意味と価値があり、それを理解して未来へ活かすことが本当の多様性ではな
いでしょうか。

私たちは、時代の変化を受け入れながらも、その背景にある歴史や価値観を尊重し、新し
い時代を築いていく必要があります。そのためには、過去を「否定」するのではなく、
「活かす」ことが求められるのです。

2024.11.05

判断の基準 ビルゲイツ流・本田流・三井住友流

かなり前に、三つの企業の判断の仕方を掲載してことがあります。これを再度、書き方を
変えてご案内します。時代が違うのでこれらの3つの判断基準は、「シチュエーションの違
い」として考えてみてください。未だに、状況として活用できると思います。異なるリー
ダーシップスタイルと意思決定プロセスを表しています。それぞれの特徴と意義を深掘り
してみましょう。

<ビルゲイツ流>

24時間以内に上司から、メールの返事が無いと仕事を進めるスピード判断。万一間違い
があっても、責任の所在を明確にして、間違えても数をこなし、6勝4敗でもいいので進
める判断手法。この方式は、迅速な意思決定と権限委譲を重視しています。ビルゲイツが
現役バリバリの時のお話として聞いています。

●スピード重視
24時間以内に上司からの返事がない場合、担当者に判断を任せて進めることを許容します。

●リスクテイキング
「早く動かなければ勝てない」という考え方は、市場の変化が速いIT業界の特性を反映し
ています。

●失敗を恐れない
6勝4敗でも良いという姿勢は、イノベーションを促進し、失敗から学ぶ文化を醸成します。

この方式は、組織の俊敏性を高め、社員の自主性を育てる一方で、一貫性の欠如や重大な
判断ミスのリスクも伴います。

<本田流>

この手法は、リスク管理と機会最大化のバランスを取ろうとするアプローチです。海外に
大工場などを造るときの判断の仕方です。最初に候補地を上げて、その候補地などで、リ
スクの大きな順番から候補地を外していきます。5つ程度の候補地を絞ったら、その中か
らメリットの大きい候補地を比較するものです。

●段階的な絞り込み
まず候補を広く設定し、その後段階的に絞り込んでいきます。

●リスク重視の初期スクリーニング
最初にリスクの高い選択肢を除外することで、安全性を確保します。

●メリット重視の最終選定
残った候補の中からメリットの高いものを選ぶことで、最適な選択を目指します。

この方法は、慎重さと積極性のバランスを取りつつ、合理的な意思決定を行うのに適して
いますが、時間がかかる可能性があります。

<三井住友流(衆議専決)>
この方式は、集団の知恵と個人の決断力を組み合わせたアプローチです。多数決はしませ
ん。自由に発言の機会を参加者に設けて、発言に責任を取らせません。衆議(自由活発に
全員に意見を出させて)、専決(リーダーが一人で決める)方式です。

●多様な意見の収集
「衆議」の段階で、様々な立場や専門性を持つ人々から幅広く意見を集めます。

●最終決定の一元化
「専決」により、一人の代表者が最終判断を下します。

●責任の明確化
決定の責任が一人に集中するため、accountability(説明責任)が明確になります。
この方法は、多角的な視点を取り入れつつ、迅速かつ明確な意思決定を可能にします。
ただし、代表者の判断力に大きく依存するリスクもあります。

<まとめ>
これら3つの判断基準は、それぞれの状況や組織文化に応じて使い分けることが重要
です。

ビルゲイツ流は、急速に変化する環境での迅速な対応に適しています。

本田流は、大規模な投資や長期的な影響を持つ決定に有効です。

三井住友流は、複雑な問題や利害関係者が多い場合に有用です。

リーダーは、これらの手法を状況に応じて柔軟に適用し、効果的な意思決定を行うことが
求められます。

2024.10.24

変わらないもの「一球入魂」~集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光~

東京六大学野球は、日本最古の大学野球リーグであり、その起源は1903年の早稲田大学と慶
應義塾大学の対抗戦(早慶戦)にまでさかのぼります。その後、他の大学が加わり、1925年
に現在の6校体制が整いました。来年でこの6校体制が100周年を迎えることになります。

このリーグは、日本の大学野球の発展に大きく寄与し、多くのプロ野球選手を輩出してきま
した。長い歴史と伝統を持つ東京六大学野球は、日本の野球界において重要な位置を占め続
けています。来年で100年目のこのリーグは、学生野球の象徴であり伝統を大切にする文化
が根付いています。

早稲田大学野球部の監督として現在6年目を迎える小宮山悟監督はかつて千葉ロッテマリー
ンズなどで活躍したプロ野球選手です。彼のプロでの戦績は素晴らしいものですが、今でも
大事にしているのは「早稲田の野球」です。昨年、慶應高校が「エンジョイベースボール」
を掲げて全国制覇し、その柔軟なスタイルが話題になりましたが、早稲田大学の野球は一貫
して「一球入魂」という言葉に象徴される精神が息づいています。

「一球入魂」という言葉は、1919年から1925年にかけて早稲田大学野球部の初代監督を務め
た飛田穂洲先生の教えから生まれました。飛田先生は、武士道に通じる「野球道」を掲げ、
一球一球に魂を込める姿勢を選手に求めました。この教えは早稲田大学野球部に深く根付い
ており、石井連藏監督、そしてその教え子である現監督、小宮山悟監督へと受け継がれてい
ます。

この文章を書いていて、私が思い出すのが「一流」という言葉です。「一流」とは仏教の教
えに由来し、お釈迦様の言葉や思想が一片の狂いもなく受け継がれていくことを指します。
それを「一つの流れ」と書き、「一流」という表現が生まれたのです。真理は変わらず、一
つの道を忠実に守り続ける姿勢は、野球でもビジネスでも大切なものです。

小宮山監督の野球もまた、筋が通っています。彼はエースや4番打者を簡単には変えません。
結果よりも、その精神を貫くことに重点を置き、苦しい局面でも耐え抜くことで得られる
「学生野球の真髄」を追求しています。

時には負けることもあります。プロ野球時代には「投げる精密機械」として理論派で通って
いた彼が、あたかも精神野球を掲げているように見られ、批判を受けることもありました。
しかし、小宮山監督は最初から「変わらないもの」を大事にし、「彼の理想」を追求し続け
てきました。

野球は個々の力ではなく、チーム全体がその精神を体現することで成り立つスポーツです。
「一球入魂」の精神を理解し、全力でプレーすることが、勝敗を超えた本当の野球の美しさ
を教えてくれます。伝統を守りながらも、未来の野球を担う若者たちがどのように成長して
いくのかが楽しみです。

2024.10.10

成功する新規事業を立ち上げませんか?

AI技術で新たなビジネスを成功に導くべく、アースアイズは新規事業立ち上げ支援サービス
を提供しています。AI画像解析を活用し、工場や小売店舗、工業地帯における効率化、安全
性の向上を目指したコンサルティング、技術提供、アドバイスなど、幅広いサポートをしま
す。

<低いAI導入成功率を打破する>

日本国内でのAIプロジェクト導入成功率は約3%と言われており、特に中小企業では導入が進
んでいない現状があります。DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功率も30%に満
たないことから、AI活用の成功は依然として難易度が高いとされています。

アースアイズは、これらの課題を解決するために、企業ごとに最適化されたAIソリューショ
ンを提供。画像解析技術を活用したシステムは、従来の防犯対策や業務の自動化にとどまら
ず、事業の成長をサポートするための高度な解析を可能にします。

<具体的なサービス内容>

1. 画像解析技術の導入支援
工場や小売店舗、工業地帯など、様々な業界に対応した画像解析技術を提供。効率的で効果
的なデータ分析を可能にし、事業のDX化を推進します。

2. コンサルティング・アドバイス
AI導入における初期段階から運用まで、経験豊富な専門チームが丁寧にサポート。企業ごと
のニーズに合わせたコンサルティングを行い、成功への道筋を示します。

3. 技術提供とカスタマイズ
企業の現場に即した画像解析ソリューションを提供し、業務効率化や安全性向上のためのカ
スタマイズが可能です。

<安全と効率を次のレベルへ>

アースアイズは、AI画像解析のエキスパートとして、企業のビジネスを進化させ、業務の安
全性と効率性を高める支援を行います。これからの時代、AIを活用したビジネスの成功は、
単なる技術導入にとどまらず、企業全体の変革を意味します。私たちは、その変革のパート
ナーとなり、未来に向けたDXを共に実現します。

2024.10.03

言い訳ばかりのわたし

「簡単ではないかもしれない。でもそれは”できない”という理由にはならないんだ。」

これは、野球界の伝説、ベーブ・ルースの言葉です。困難な状況に直面しても、やるべきこ
とから逃げず「できない」と言い訳をするのではなく、前向きに挑戦し続けることが大切だ
と、この言葉は教えてくれます。

「ああ、遅刻してしまった」
「仕事のタスクを忘れてしまった……」

こんな時、私の頭の中にはすぐに「もっともらしい言い訳」が浮かんできます。私も何度も
この誘惑に負け、言い訳をしてしまうことがありました。ミスを正当化して自分の価値を守
ろうとする一方で、実はその行為がさらに自分を苦しめる結果になることに気づくことも少
なくありません。

言い訳をすることで一時的に他人に対して自分をよく見せられるかもしれませんが、最終的
には自分の内面に負担が残り、自分の価値を下げてしまいます。「できなかった」と認め、
その失敗から学び成長する姿勢こそが、真の強さであり、成功への近道なのは分かるのです
が、凡人の私にはそれが容易ではありません。

例えば、大谷翔平選手の姿勢には本当に感心させられます。彼は類まれな才能を持ちながら
も、常にさらなる高遠の理想を追い求めています。そのストイックさは本当にマネできるも
のではありませんが、見習うべき点は多いです。

失敗は誰にでもあります。しかし、大切なのはその失敗にどう向き合うかです。言い訳を超
えて、「次はどうすればうまくいくか」と自分自身に問いかけることが、成長の第一歩です。
成功者たちも、多くの失敗を重ねながら、そのたびに自分を振り返り、前に進み続けた結果
として今の地位を築いているのです。

継続は力なり・・・・

言葉は簡単に出ますが、成功者と言われる人が、注目される時点で、その継続性の難しさが
分かります。

私のような失敗者が、まず行うべきことは「自分に正直になる」ことです。遅刻してしまっ
たなら、まずは素直に謝ること。そして、同じ失敗を繰り返さないためにどう改善できるか
を考えることが必要です。言い訳をせず、次に進むための行動を起こすことで、自分の価値
が少しずつでも高まっていくと信じています。

今日も、小さな言い訳を乗り越え、自分の成長のために一歩を踏み出していきたいと思いま
す。

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