サブロー通信

2019.04.17

桃栗3年柿8年 ~「サブローくん」は20年

私は小売業の万引き対策のコンサルティングを2000年より開始しました。その道のりを改めて振り返ると、もう20年近くが経っているのですね。小売業のコンサルティングというのは「ロス対策の監査」と「システム作り」の両面から考え、創り上げてきました。

コンサルを通じて再認識したのは「万引きとは人がいない場所でおこなう行為だ」ということです。
逆に言えば、人が近くにいれば万引きを控えることになります。万引きをしそうな不審行動を見せている人をいち早く見つけ、店員さんが近づいてお声掛けをすれば万引きが減るのではないか--この一連の流れを推奨したことで、あらゆる小売業態においても万引きロスが下がり、私の仮説〈万引き抑止論〉が実証されることになりました。

警視庁発表の「万引き犯へのアンケート」でも、万引き犯のじつに約7割がお声掛けをされることで「万引き行為をあきらめる」と答えています。しかしながら、時代が流れるにつれ合理化や人手不足で店舗の人員が減り、小売店舗ではお声掛けすら難しくなっていきました。「どのように万引き抑止策を実践していただくことができるのか?」が、私のコンサルティングの主要なテーマとなりました。 

その回答を私は映像装置、いわゆる防犯カメラや監視カメラを活用したシステム構築に求めました。
しかし、現状の防犯カメラは単なる録画・記録装置です。もし仮にカメラが自動的に事件・事故を発見してくれれば、もしカメラが万引き行為を予測して店員に知らせてくれるのであれば、これほど有用なことはないのではないか、と思いつきました。
人間の代わりに、映った映像を自動で判断する。それを今では「人工知能(AI)」と呼ぶのかもしれません。

思いつくとすぐに行動をしてしまう私は、全国のカメラ会社やシステム会社にアイデアをぶつけました。しかし当時、それを実現できる会社はありませんでした。私のアイデアに近い、特許システムをもつ会社とも開発を進めましたが、「山内さんの発想を商品化するのは難しい」となりました。それでもあきらめず試行錯誤を続けて創り上げたのが「サブローくん」という変な名前の万引き対策システムです。
それが2009年。今から10年前の話です。
 
「サブローくん」は画像解析の技術だけで不審行動を分析しようとしました。しかし、課題は多く、今振り返るとなかなかその万引き対策システムは成功したとは言い難いものだったと思います。ただそれらの経験は役に立っており、その基本コンセプトを引き継ぎ、技術やソフトウエアをまったく変えて創り上げたのが、当社がいまNTT東日本様と協業している万引き抑止サービスの「AIガードマン」です。

AIガードマンで使うAIカメラの「ee3」は人の行動を骨格化し、背景を3D化し、首の角度、手の動きを把握できます。サブローくんのレベルをはるかに凌駕し、万引き行為に関連した不審行動を検知することができます。
「万引きゼロの世界」を目指す、私が考える理想の仕組みではありませんが、一つの完成型にようやくたどり着けたと思っています。

もしよろしければ、一度、当社のショールームにお越しください。「こんな進化しているのか?」「AIカメラってすごい!」を必ずや実感できると思います。AIガードマンのデモ用キットもできましたので、販売のパートーナーさんや当社の営業スタッフ、また私自身も全国を周り、実際にお見せすることができます。
何とぞよろしくお願い申し上げます。