サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。

2023.11.28

一度きりの人生、あなたは今何をしていますか?

一休禅師という名前は、多くの人に知られています。
彼は知恵とユーモアに富んだ「とんち」で有名で、アニメの「一休さん」で広く親しまれて
います。しかし、本当の一休禅師の言葉には深い教訓が込められています。

「世の中は食って、稼いで寝て起きて さてその後は死ぬばかりぞ」

一休禅師が詠んだこの歌は、彼の心根、奥底に秘めていた本心を表しているのではないかと
考えます。これは、彼が人生に対してどれほど穏やかで、心の平安を持っていたかを示して
います。一休禅師は死を恐れず、むしろ楽しみとして受け入れていました。

その一方、一休禅師は臨終に際して「死にとうない」と述べた逸話もあります。普通の人は
これを聞いて「一休さんも死ぬのが怖かったのか?」と思うかもしれません。しかし、彼の
一生や死生観を考えると、彼は自分が死んだ後に天国に行く確信があったことが分かります。
天国は彼にとって、無限の幸福と喜びがある場所です。そこに行きつければ、もう、二度と
戻ってこないことを知っていました。彼はこの世の苦しみから解放されることを悟り、高い
位置から「この世」を眺めて、「死にとうない」と言ったのだと、私は考えています。

仏教では、輪廻転生を断ち切り、天国に行くことが最終目標です。哲学を学んだりするもの
ではなく、目的は一つで、輪廻転生を断ち切り天国に行くことだけです。一休禅師はこの目
標を確信しており、死生観に達観していました。一般の人から見れば斜に構えて見えるかも
しれませんが、彼は宇宙の本質を正確に捉えていたのだと思います。

何百年、何千年と輪廻転生を繰り返した結果として、私たちはこの時代に生きています。生
まれ変わり死に変わり輪廻転生を繰り返している私たちが、輪廻の輪を断ち切り、宇宙の真
理を理解し、二度と生まれ変わらずに苦しみのない世界に行ける確信を得たとき、一度きり
の人生、私はこれから何をするのだろうか?コレが本当に最後の肉体で、ほんの数十年で終
わるとしたら自分はどのように人生を過ごすだろう。一休さんの言葉に思いを巡らせていた
ら、別の言葉も浮かんできました。

「馬鹿も利口も命は一つ」

これは五木寛之の『青春の門』に載っていた言葉です。なんとなく一休さんの歌に近い意味
を感じました。

2023.11.21

AIアレルギーが無くなった業界 ~AIとともに進化する世界 – 人間との協働の未来~

藤井聡太八冠がAIを活用して将棋の腕を磨いている話は万人の知るところで
すが、このエピソードは私たちに大きな示唆を与えくれます。将棋の世界で
は、すでにAIが人間の能力を超えてしまっていると言われています。プロの
棋士が一生のうちにできる試合が10万局くらいらしいのですが、現在のAI
は圧倒的に短い時間で3千万局もの対局を疑似的に経験しているそうです。
AIの進化は人間の思考や能力の限界を超えています。このことは、私たちが
新しい時代の夜明けに立っていることを意味します。

将棋は平安時代から続く長い伝統と格式の世界にもかかわらず、「AIアレル
ギー」を超えて、練習相手や戦い方の手法のコンサルタントとしてAIを受け
入れています。もうそれなしで、プロ棋士として戦うことは難しい世界です。

AIの活用は「慣れ」から始まります。最初は不思議に思うかもしれませんが、
AIの便利さに魅了されると、その使用は日常に溶け込みだします。そして、
次第に使う目的と時間が拡大し、新しい可能性を広げていくことになります。

将来、AIはどのような役割を果たすのでしょうか?将棋界のようにアドバイ
スをAIに受けたり、実験をしてみたりする業界をChatGPT(AIサブロー)に聞
いてみました。

【1】多様な業界での活用
医療・ヘルスケア:AIは診断の精度を向上させ、新薬の開発を加速させま
金融・投資:市場分析やリスク評価において、AIの役割はますます重要に
製造業:製品設計や生産プロセスの最適化にAIを利用
小売・流通:在庫管理や需要予測をAIで行い、顧客体験を向上
教育:AIによる個別学習プランの提案や教材開発。
交通・物流:ルート計画や輸送効率の向上にAIを活用

【2】AIの活用方法の広がり
データドリブンな意思決定:ビッグデータを分析し、より正確な決定を
自動化と効率化:繰り返しの作業をAIが自動化し、プロセスを効率化
パーソナライズ:カスタマイズされたサービスで顧客の期待に応える
予測分析:未来のトレンドや需要を予測し、戦略的な計画を立てる
インタラクティブな学習と開発:AIとの対話を通じて新しいアイデアを探求

AIはもはや単なる道具ではなく、人間の能力を拡張するパートナーへと進化し
ています。ビジネスモデルや戦略策定においても、AIは重要な役割を担うこと
になるでしょう。この協働の時代に、私たちはどのように適応し、成長してい
くべきでしょうか?AIとともに進化する未来は、まさに手の届くところに来て
います。

2023.11.14

日本のDX導入のための取扱説明書

当社では、日本特有の状況に適応したデジタルトランスフォーメーション(DX)の進め方を
探求しています。日本のDX推進にはいくつかの課題が存在しますが、これらは適切な戦略と
理解によって克服してきたいと思います。

トップダウンのアプローチはコスト削減に繋がりますが、ボトムアップの場合は逆にコスト
が増加する傾向があります。日本でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み
がしばしば失敗する一因は、このボトムアップ型のアプローチにあると私は考えています。

欧米では、DX推進をトップダウンでおこない、その取り入れた仕組みに人を合わせて配置
します。当然、人件費の改善は、目に見えて分かりやすく、目的も明確です。成果がパーセ
ンテージで表現できることでしょう。システムを変更する際に人員配置の変更・解雇も当然
のように行います。

しかし日本では、ガラパゴスシステムに代表されるように、企業はシステムを自社に合わせ
て変更・複雑化する傾向があります。そのためにAIが人の代わりを担うのに時間がかかり、
人員配置や削減を行わずにDXを推進しようとするために、効率化やコスト削減は期待できな
くなります。

組織的なパラダイムシフトを起こすためには、人々の「慣れ」や「ルーチン」を打破する必
要があります。これはボトムアップアプローチでは難しく、組織の壁を越えた変革が必要で
す。そのためにはトップダウンのアプローチが欠かせません。

しかし、日本におけるトップダウンは十分に機能していません。これは、単にITやAIのリテ
ラシーを持つトップ層が不足しているからだと思われます。日本の平均年齢は現在約48歳、
実質的には50歳近くです。社会が硬直化するのと同様に、企業もその影響を受けています。
イーロン・マスクが日本の高齢化に言及していることもありますが、高齢化だけでなく、
トップの学習能力の低さも大きな問題だと感じます。

日本のボトムアップアプローチは、時に多くの費用を必要とします。新しい方法への適応に
は時間と理解が必要です。ここで重要なのは、日本独自のビジネス文化とプロセスを尊重し
つつ、新しい技術やアプローチを採用することです。

DX成功の鍵は、システム変更時の人員配置にも表れる、欧米とのアプローチの違いを理解す
ることにあります。日本企業は従来、既存のシステムに合わせて調整することが一般的です
が、DXでは柔軟な思考と適応が求められます。日本の長い歴史と豊かな文化を生かし、DXを
効果的に推進する方法を模索することで、困難を乗り越え、明るい未来を築くことができま
す。海外では、トップダウンによる最初の決断になりますが、日本のボトムアップの場合、
トップの決断は最後になります。いずれにせよ、トップのIT,AIのリテラシーを磨くことが
今後の会社、組織、日本の未来を担うことになると思います。

2023.11.09

振り向かず生きる なぜなら、信念があるから

先日「CODA(コーダ)」という映画を見ました。

久々に良い映画見た感じです。
タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に
育てられた子ども”」のこと。

フランス映画「エール!」をリメイクした作品で、家族の絆と個人の夢の葛藤を描いた感動
的なヒューマンドラマです。

物語は、海の町でやさしい両親と兄と共に過ごす高校生ルビーに焦点を当てています。
ルビーは家族の中で唯一耳が聞こえますが、それは家族や町の生活に欠かせないものでした。
彼女は幼少期から漁業の手伝いをし、家族にとって通訳代わりになっており、家族と社会を
繋ぐ不可欠な存在になっていました。

新学期が始まり、ルビーは合唱クラブに入部します。その歌声に顧問の先生が気付き、都会の
名門音楽大学への進学を強く勧めます。しかし、聴覚障害を持つルビーの両親は娘が音楽の道
を選ぶことを受け入れられません。ルビーなしに社会との接点を直接持つことができない彼ら
は家業を支持し、家族の一員としてのルビーの役割を重視します。

ルビーは自身の夢と家族の期待の狭間で揺れ動きます。家族のために尽力し続けることを決意
しますが、それが彼女の人生を犠牲にすることになります。

最後の、名門音楽大学の審査の会場でBoth Sides Nowを歌う姿のシーンは、、
私は、もう涙腺が崩壊準備OKの状態で、歌声を堪能させていただきました。

人には、歌を歌う理由があります。
心を伝えるためには、テクニカルだけではない、人知れず積み重ねた経験が必要です。
それを映画で教えてくれているようでした。

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