サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。

2024.11.05

判断の基準 ビルゲイツ流・本田流・三井住友流

かなり前に、三つの企業の判断の仕方を掲載してことがあります。これを再度、書き方を
変えてご案内します。時代が違うのでこれらの3つの判断基準は、「シチュエーションの違
い」として考えてみてください。未だに、状況として活用できると思います。異なるリー
ダーシップスタイルと意思決定プロセスを表しています。それぞれの特徴と意義を深掘り
してみましょう。

<ビルゲイツ流>

24時間以内に上司から、メールの返事が無いと仕事を進めるスピード判断。万一間違い
があっても、責任の所在を明確にして、間違えても数をこなし、6勝4敗でもいいので進
める判断手法。この方式は、迅速な意思決定と権限委譲を重視しています。ビルゲイツが
現役バリバリの時のお話として聞いています。

●スピード重視
24時間以内に上司からの返事がない場合、担当者に判断を任せて進めることを許容します。

●リスクテイキング
「早く動かなければ勝てない」という考え方は、市場の変化が速いIT業界の特性を反映し
ています。

●失敗を恐れない
6勝4敗でも良いという姿勢は、イノベーションを促進し、失敗から学ぶ文化を醸成します。

この方式は、組織の俊敏性を高め、社員の自主性を育てる一方で、一貫性の欠如や重大な
判断ミスのリスクも伴います。

<本田流>

この手法は、リスク管理と機会最大化のバランスを取ろうとするアプローチです。海外に
大工場などを造るときの判断の仕方です。最初に候補地を上げて、その候補地などで、リ
スクの大きな順番から候補地を外していきます。5つ程度の候補地を絞ったら、その中か
らメリットの大きい候補地を比較するものです。

●段階的な絞り込み
まず候補を広く設定し、その後段階的に絞り込んでいきます。

●リスク重視の初期スクリーニング
最初にリスクの高い選択肢を除外することで、安全性を確保します。

●メリット重視の最終選定
残った候補の中からメリットの高いものを選ぶことで、最適な選択を目指します。

この方法は、慎重さと積極性のバランスを取りつつ、合理的な意思決定を行うのに適して
いますが、時間がかかる可能性があります。

<三井住友流(衆議専決)>
この方式は、集団の知恵と個人の決断力を組み合わせたアプローチです。多数決はしませ
ん。自由に発言の機会を参加者に設けて、発言に責任を取らせません。衆議(自由活発に
全員に意見を出させて)、専決(リーダーが一人で決める)方式です。

●多様な意見の収集
「衆議」の段階で、様々な立場や専門性を持つ人々から幅広く意見を集めます。

●最終決定の一元化
「専決」により、一人の代表者が最終判断を下します。

●責任の明確化
決定の責任が一人に集中するため、accountability(説明責任)が明確になります。
この方法は、多角的な視点を取り入れつつ、迅速かつ明確な意思決定を可能にします。
ただし、代表者の判断力に大きく依存するリスクもあります。

<まとめ>
これら3つの判断基準は、それぞれの状況や組織文化に応じて使い分けることが重要
です。

ビルゲイツ流は、急速に変化する環境での迅速な対応に適しています。

本田流は、大規模な投資や長期的な影響を持つ決定に有効です。

三井住友流は、複雑な問題や利害関係者が多い場合に有用です。

リーダーは、これらの手法を状況に応じて柔軟に適用し、効果的な意思決定を行うことが
求められます。

2024.10.24

変わらないもの「一球入魂」~集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光~

東京六大学野球は、日本最古の大学野球リーグであり、その起源は1903年の早稲田大学と慶
應義塾大学の対抗戦(早慶戦)にまでさかのぼります。その後、他の大学が加わり、1925年
に現在の6校体制が整いました。来年でこの6校体制が100周年を迎えることになります。

このリーグは、日本の大学野球の発展に大きく寄与し、多くのプロ野球選手を輩出してきま
した。長い歴史と伝統を持つ東京六大学野球は、日本の野球界において重要な位置を占め続
けています。来年で100年目のこのリーグは、学生野球の象徴であり伝統を大切にする文化
が根付いています。

早稲田大学野球部の監督として現在6年目を迎える小宮山悟監督はかつて千葉ロッテマリー
ンズなどで活躍したプロ野球選手です。彼のプロでの戦績は素晴らしいものですが、今でも
大事にしているのは「早稲田の野球」です。昨年、慶應高校が「エンジョイベースボール」
を掲げて全国制覇し、その柔軟なスタイルが話題になりましたが、早稲田大学の野球は一貫
して「一球入魂」という言葉に象徴される精神が息づいています。

「一球入魂」という言葉は、1919年から1925年にかけて早稲田大学野球部の初代監督を務め
た飛田穂洲先生の教えから生まれました。飛田先生は、武士道に通じる「野球道」を掲げ、
一球一球に魂を込める姿勢を選手に求めました。この教えは早稲田大学野球部に深く根付い
ており、石井連藏監督、そしてその教え子である現監督、小宮山悟監督へと受け継がれてい
ます。

この文章を書いていて、私が思い出すのが「一流」という言葉です。「一流」とは仏教の教
えに由来し、お釈迦様の言葉や思想が一片の狂いもなく受け継がれていくことを指します。
それを「一つの流れ」と書き、「一流」という表現が生まれたのです。真理は変わらず、一
つの道を忠実に守り続ける姿勢は、野球でもビジネスでも大切なものです。

小宮山監督の野球もまた、筋が通っています。彼はエースや4番打者を簡単には変えません。
結果よりも、その精神を貫くことに重点を置き、苦しい局面でも耐え抜くことで得られる
「学生野球の真髄」を追求しています。

時には負けることもあります。プロ野球時代には「投げる精密機械」として理論派で通って
いた彼が、あたかも精神野球を掲げているように見られ、批判を受けることもありました。
しかし、小宮山監督は最初から「変わらないもの」を大事にし、「彼の理想」を追求し続け
てきました。

野球は個々の力ではなく、チーム全体がその精神を体現することで成り立つスポーツです。
「一球入魂」の精神を理解し、全力でプレーすることが、勝敗を超えた本当の野球の美しさ
を教えてくれます。伝統を守りながらも、未来の野球を担う若者たちがどのように成長して
いくのかが楽しみです。

2024.10.10

成功する新規事業を立ち上げませんか?

AI技術で新たなビジネスを成功に導くべく、アースアイズは新規事業立ち上げ支援サービス
を提供しています。AI画像解析を活用し、工場や小売店舗、工業地帯における効率化、安全
性の向上を目指したコンサルティング、技術提供、アドバイスなど、幅広いサポートをしま
す。

<低いAI導入成功率を打破する>

日本国内でのAIプロジェクト導入成功率は約3%と言われており、特に中小企業では導入が進
んでいない現状があります。DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功率も30%に満
たないことから、AI活用の成功は依然として難易度が高いとされています。

アースアイズは、これらの課題を解決するために、企業ごとに最適化されたAIソリューショ
ンを提供。画像解析技術を活用したシステムは、従来の防犯対策や業務の自動化にとどまら
ず、事業の成長をサポートするための高度な解析を可能にします。

<具体的なサービス内容>

1. 画像解析技術の導入支援
工場や小売店舗、工業地帯など、様々な業界に対応した画像解析技術を提供。効率的で効果
的なデータ分析を可能にし、事業のDX化を推進します。

2. コンサルティング・アドバイス
AI導入における初期段階から運用まで、経験豊富な専門チームが丁寧にサポート。企業ごと
のニーズに合わせたコンサルティングを行い、成功への道筋を示します。

3. 技術提供とカスタマイズ
企業の現場に即した画像解析ソリューションを提供し、業務効率化や安全性向上のためのカ
スタマイズが可能です。

<安全と効率を次のレベルへ>

アースアイズは、AI画像解析のエキスパートとして、企業のビジネスを進化させ、業務の安
全性と効率性を高める支援を行います。これからの時代、AIを活用したビジネスの成功は、
単なる技術導入にとどまらず、企業全体の変革を意味します。私たちは、その変革のパート
ナーとなり、未来に向けたDXを共に実現します。

2024.10.03

言い訳ばかりのわたし

「簡単ではないかもしれない。でもそれは”できない”という理由にはならないんだ。」

これは、野球界の伝説、ベーブ・ルースの言葉です。困難な状況に直面しても、やるべきこ
とから逃げず「できない」と言い訳をするのではなく、前向きに挑戦し続けることが大切だ
と、この言葉は教えてくれます。

「ああ、遅刻してしまった」
「仕事のタスクを忘れてしまった……」

こんな時、私の頭の中にはすぐに「もっともらしい言い訳」が浮かんできます。私も何度も
この誘惑に負け、言い訳をしてしまうことがありました。ミスを正当化して自分の価値を守
ろうとする一方で、実はその行為がさらに自分を苦しめる結果になることに気づくことも少
なくありません。

言い訳をすることで一時的に他人に対して自分をよく見せられるかもしれませんが、最終的
には自分の内面に負担が残り、自分の価値を下げてしまいます。「できなかった」と認め、
その失敗から学び成長する姿勢こそが、真の強さであり、成功への近道なのは分かるのです
が、凡人の私にはそれが容易ではありません。

例えば、大谷翔平選手の姿勢には本当に感心させられます。彼は類まれな才能を持ちながら
も、常にさらなる高遠の理想を追い求めています。そのストイックさは本当にマネできるも
のではありませんが、見習うべき点は多いです。

失敗は誰にでもあります。しかし、大切なのはその失敗にどう向き合うかです。言い訳を超
えて、「次はどうすればうまくいくか」と自分自身に問いかけることが、成長の第一歩です。
成功者たちも、多くの失敗を重ねながら、そのたびに自分を振り返り、前に進み続けた結果
として今の地位を築いているのです。

継続は力なり・・・・

言葉は簡単に出ますが、成功者と言われる人が、注目される時点で、その継続性の難しさが
分かります。

私のような失敗者が、まず行うべきことは「自分に正直になる」ことです。遅刻してしまっ
たなら、まずは素直に謝ること。そして、同じ失敗を繰り返さないためにどう改善できるか
を考えることが必要です。言い訳をせず、次に進むための行動を起こすことで、自分の価値
が少しずつでも高まっていくと信じています。

今日も、小さな言い訳を乗り越え、自分の成長のために一歩を踏み出していきたいと思いま
す。

2024.10.01

心を救うパーソナルAIセキュリティ

AI技術が進化し、ChatGPTのような会話型AIが身近なものとなりました。私も日々の仕事に
AIを活用し、効率を上げることが当たり前のようになっています。また、自然言語で動画を
検索できるなど、AIの進化は目を見張るばかりです。しかし、この急速な進化の中で、まだ
満たされていない部分もあると感じています。それは「パーソナルなAI」の開発です。

現在のAIは、確かに汎用性が高く、多くの情報に対応することができますが、個人のニーズ
や感情にしっかり寄り添う部分ではまだ課題があります。私たちの一人ひとりが持つ特有の
ニーズや価値観に応じて、AIが具体的にサポートするには、もう少し個別化が必要です。最
終的に自分自身で判断しなければならないことが多いのは、そのためです。

私が考える「パーソナルAI」は、個人のDNA情報や日々の習慣、会話の記録を活用して、個々
人の性格や健康、ライフスタイルにぴったり合ったアドバイスを提供するものです。AIがあな
たを深く理解し、何でも気軽に相談できる存在となる–そんな未来が現実になるのも、そう遠
くないのではないでしょうか。

パーソナルAIの最大の価値は、選択肢を減らし、心の負担を軽減することにあると思います。
日常の中で、私たちは多くの選択に直面しますが、時にその選択が重くのしかかり、心に負担
をかけます。AIがその選択をサポートし、より良い方向へ導いてくれることで、心をすり減ら
さず、前向きに進んでいけるのではないでしょうか。

私たちが日々抱えるストレスや心の痛みを軽減し、ポジティブな選択を後押ししてくれるパー
ソナルAI–その実現は近い未来の話かもしれません。心を救い、生活を豊かにするためのAIの
進化に、期待が膨らみます。

2024.09.24

成功に近道はない

失敗をしたら、その原因を突き詰めて、同じ失敗を繰り返さない組織を作り上げることが、
成功への礎となります。これを言葉にするのは簡単ですが、実際に実行するのは決して容易
ではありません。しかし、どんな言い訳も無用です。私たちは、その困難な道を歩み続けな
ければならないのです。

失敗は誰にでもあります。それを恐れていては何も始まりません。大切なのは、失敗を突き
詰める勇気です。私たちの社会は、自分にも他人にも失敗の原因を突き詰めない条件を作っ
てしまっている気がします。

苦しいときに、上を向いて歩きたいものです。致命傷にならない限り、必ず、次があります。
失敗を糧にして、それをどう次に活かしていくかです。私自身、何度も失敗を経験し、その度
に反省し、改善を重ねてきました。時には、失敗が重なることで、心が折れそうになることも
ありましたが、その中で学んだことは、「成功に至るまでのプロセスには近道がない」という
ことです。

失敗をもうこれ以上繰り返したくないと本気で思えることが、次のステップの必死さに繋がる
のであると感じています。

例えば、AI事業を進める中で、膨大なデータを集め、学習を進めてきました。最初は、膨大な
量の情報があればそれでうまくいくと思っていましたが、実際には、それらのデータをきちん
と整理し、良質な情報を取捨選択することが重要だと気づかされました。情報を精査し、整理
する手間を惜しんでしまえば、その後に待っているのは、失敗という結果です。

同じように、組織やチーム作りにおいても、失敗をどう反省し、改善していくかが成功の鍵で
す。失敗から学ばなければ、ただの後退です。

しかし、そこから原因を見つけ、組織全体で改善に向けて取り組めば、それは大きな前進とな
ります。どんなに小さなステップでも、失敗を糧にして進むことで、やがて大きな成功に繋が
ります。

「言い訳は無用」

私もこの言葉を胸に刻み、これからも挑戦し続けます。失敗を恐れず、その原因を突き詰め、
次に活かすことで、組織やチームをさらに強くしていきましょう。

2024.09.19

質を高めたければ、量をこなせ

AI事業を推進していると、改めて「量がものをいう」ことを強く感じます。AIの学習におい
て、膨大なデータや情報は不可欠であり、それがAIの精度を左右するのは事実です。
しかし、その「量」もただ多ければ良いわけではありません。質の高い成果を生み出すには、
目的に合った良質なデータが必要です。

例えば、AIに火災を検知させるための学習データを用意する場合、焚火の映像だけを大量に学
習させてしまうと、住宅火災を正確に検知できない可能性があります。同じ「火」であって
も、焚火と住宅火災では背景や状況が異なるため、それを区別するためのデータが必要です。
AIが正しく判断するためには、データの整理整頓が不可欠であり、適切なデータを大量に提供
することで、より精度の高い結果が得られるのです。

これは人間の学習にも通じる部分があります。良質な情報に絞り込み、それを反復して量をこ
なすことで、実力が着実に向上します。近道や効率化をうたう手法が多く目に付きますが、実
際には、質を上げるための最も効果的な手段は、目的に合った情報を反復し続けることです。
ツールによって時間を短縮することはできても、道そのものが短くなることはありません。

結局のところ、質を向上させたいならば、まずは量をこなす覚悟が必要なのです。整理された
情報を大量にこなし、繰り返し反復することでこそ、真の成長が得られるのだと思います。

2024.09.12

世界最高のピアニストと共に感じた節目

なんだか最近、人生の節目を感じています。この歳になっても「まだ節目?」という声が聞こ
えてきそうですが、それでも不思議な感覚に包まれています。先日、無性にあるピアニストの
音楽が聴きたくなり、ネットで彼の曲を探していました。そのピアニストの名前は、加古隆さ
ん。ご存知の方も多いかもしれませんが、NHKの「映像の世紀」や数々のCM・映画音楽を手
掛けてきた、まさに日本が誇る偉大な音楽家です。フランスで活動をされていた当時は、「フ
ランスで聴くことのできる最高のピアニスト」と称されていました。

実は、30年前、私は音楽の仕事に携わっており、加古隆さんのマネージャーのような役割をし
ていた時期がありました。彼の代表作「ポエジー」を聴くと、きっと多くの方が「ああ、この
曲知ってる」と思い出すでしょう。その優しくも力強い音色は、誰しも一度は耳にしたことが
あるはずです。

先日、30年ぶりに彼の曲をコンサートホールで聴きました。改めて彼のピアノ演奏を聴いた
瞬間、心の深い部分に触れるような音色が私の中に響きました。ほんの少しピアノに触れただ
けで、加古さんの音色が心の琴線に触れ、思わず涙がこぼれそうになりました。言葉では表現
できないほどの心の安らぎがそこにはありました。

今思うと、加古隆さんは私にとって、やはり「世界最高のピアニスト」なのです。彼の音楽と
出会えたこと、そしてその音色に再び触れられたことで、私にとって一つの区切りを付けられ
たように感じました。

人生の節目は、いつも予期せぬ瞬間に訪れるものです。加古さんの音楽を通して、私は再び心
の奥底から満たされる感覚を味わいました。

2024.08.22

自己成長と向き合う姿勢

「他人よりも優れた者ではなく、過去の自分より優れた者が気高い」ヘミングウェイのこの言
葉は、私にとって非常に示唆に富んだものです。私たちは日々の生活の中で、つい他人と自分
を比較してしまいがちですが、真の目標は他人との競争ではなく、過去の自分を超えることに
あると感じます。

現代のネット社会では、私たちは常に他人と自分を比較し、自分の立場や正当性を主張しよう
とする傾向にあります。自己の存在価値を確認するために、他人を批判したり、正義を振りか
ざす場面も少なくありません。特に、正義に酔いしれてしまうと、自分が正しいと信じる力が
強くなり、そのために他者を非難する行動が増えることがあります。その大衆性は、時として
大きなうねりとなり、恐怖さえも感じるほどの強さを持っています。

私自身、これまでの人生で何度も失敗を重ね、時には挫折も経験してきました。
正直に言えば、失敗の数やその期間の長さで言えば、国内トップクラスの経験の持ち主である
ことを自負しています(笑)。
失敗をうまく活かせずに、何度も同じ過ちを繰り返してきました。
しかし、最近になってようやく、失敗の度に自分を見つめ直し、昨日の自分よりも少しでも成
長しようと心がけることができるようになりました。過去の失敗と真摯に向き合うことが、今
の自分を形作っているのです。

新しい挑戦を始める時には、恐れや不安が生じることがありますが、そのような時こそ、他人
と比較するのではなく、過去の自分と向き合い、少しずつ前進することが大切です。

今日も、昨日の自分を超えるために一歩を踏み出しましょう。それが、真の成長と気高さへと
繋がる道だと思うのです。

2024.08.08

オリンピックの涙に学ぶ

現在、オリンピックが開催されています。そこで目にするのは、勝者の喜びと敗者の悔しさに
満ちたドラマです。勝者になって涙を流す人、敗者になって涙を流す人、それぞれの涙には様
々な心情が込められています。

勝者の涙には、達成感と喜びが溢れています。これまでの努力が報われた瞬間、無数の困難を
乗り越え、栄光を手にした喜びが爆発します。長いトレーニングの日々、幾度となく訪れた挫
折と向き合い、立ち上がり続けたその努力の結果が、今ここに結実したのです。
勝利を手にした瞬間、感謝の気持ちとともに、心の中に抱えていた重圧から解放され、涙が溢
れ出すのです。

一方、敗者の涙には悔しさと無念が込められています。
彼らもまた、必死に生きてきました。誰よりも努力し、誰よりも自分を追い込み、勝利を目指
してきた日々。その全てが一瞬で崩れ去る瞬間、心の中にある悔しさと無念さが涙となって溢
れ出します。しかし、その涙は決して無駄ではありません。敗北の悔しさを経験することで、
彼らはさらに強くなり、次の挑戦へと向かう力を得るのです。

オリンピックのレベルとは異なるので、事例を出すのもおこがましいのですが、私も大学時代
に野球で味わった経験があります。試合で勝った時、一人だけ泣いたことがあります。私は大
学野球の守備要員でベンチに入っていましたが、立教戦でのことです。試合は緊迫した0対0の
まま進行し、立教が攻めている時に0アウト、フォアボールでランナーが出塁しました。9回表
に左バッターの矢作選手(のちに日本ハムに入団)が打席に立ちました。
監督は突然、レフトを交代させ私がフィールドに入りました。心臓がバクバク、緊張の中、私
の守るレフト前に流し打ちが飛んできました。私は緊張しながらも1塁ランナーがヒットエン
ドランで三塁を狙って走っているのが見えました。

正面のライナー性のゴロで直感的に三塁に送球すれば刺せると感じましたが、ランナーに気を
取られた私はボールをしっかりと落ち着いてみることができず、イレギュラーすることが無い
人工芝でのバウンドを合わせられず、なんと、エラーしてしまいました。結果、ランナーはホ
ームインし、1点を失いました。この失点は非常に大きく、投手は何とか1点で抑えましたが、
最終回しか残っていませんでした。ベンチに戻ると私は一度、ベンチ裏に入りましたが、先輩
に促されてベンチの前にでて応援に出ましたが、声は出せず祈るだけでした。早稲田の粘る攻
撃で、粘りに粘り、2アウト満塁まで来ました。そこで代打に出された岩本先輩が、見事にサ
ヨナラヒットで逆転勝利を収めました。

私には、岩本さんが、ヒットを打った光景をいまだに鮮明に思い出せます。
そのあとは泣きながら、まったく歩けず、試合終了の挨拶でホームベースまでたどり着けず、
先輩に肩を抱かれて整列しました。あまり覚えていません。もし負けていたら、どうなってい
たのか想像もつきません。

オリンピックは、勝者と敗者の感情が交錯する場所です。勝利の喜び、敗北の悔しさ、それぞ
れが必死に生きてきた証です。どちらの涙にも、彼らが歩んできた道のりと、その中で経験し
た全ての感情が詰まっています。その瞬間、彼らの人生の一部が形となり、私たちに感動を与
えてくれるのだと思います。

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