判断の基準 ビルゲイツ流・本田流・三井住友流
かなり前に、三つの企業の判断の仕方を掲載してことがあります。これを再度、書き方を
変えてご案内します。時代が違うのでこれらの3つの判断基準は、「シチュエーションの違
い」として考えてみてください。未だに、状況として活用できると思います。異なるリー
ダーシップスタイルと意思決定プロセスを表しています。それぞれの特徴と意義を深掘り
してみましょう。
<ビルゲイツ流>
24時間以内に上司から、メールの返事が無いと仕事を進めるスピード判断。万一間違い
があっても、責任の所在を明確にして、間違えても数をこなし、6勝4敗でもいいので進
める判断手法。この方式は、迅速な意思決定と権限委譲を重視しています。ビルゲイツが
現役バリバリの時のお話として聞いています。
●スピード重視
24時間以内に上司からの返事がない場合、担当者に判断を任せて進めることを許容します。
●リスクテイキング
「早く動かなければ勝てない」という考え方は、市場の変化が速いIT業界の特性を反映し
ています。
●失敗を恐れない
6勝4敗でも良いという姿勢は、イノベーションを促進し、失敗から学ぶ文化を醸成します。
この方式は、組織の俊敏性を高め、社員の自主性を育てる一方で、一貫性の欠如や重大な
判断ミスのリスクも伴います。
<本田流>
この手法は、リスク管理と機会最大化のバランスを取ろうとするアプローチです。海外に
大工場などを造るときの判断の仕方です。最初に候補地を上げて、その候補地などで、リ
スクの大きな順番から候補地を外していきます。5つ程度の候補地を絞ったら、その中か
らメリットの大きい候補地を比較するものです。
●段階的な絞り込み
まず候補を広く設定し、その後段階的に絞り込んでいきます。
●リスク重視の初期スクリーニング
最初にリスクの高い選択肢を除外することで、安全性を確保します。
●メリット重視の最終選定
残った候補の中からメリットの高いものを選ぶことで、最適な選択を目指します。
この方法は、慎重さと積極性のバランスを取りつつ、合理的な意思決定を行うのに適して
いますが、時間がかかる可能性があります。
<三井住友流(衆議専決)>
この方式は、集団の知恵と個人の決断力を組み合わせたアプローチです。多数決はしませ
ん。自由に発言の機会を参加者に設けて、発言に責任を取らせません。衆議(自由活発に
全員に意見を出させて)、専決(リーダーが一人で決める)方式です。
●多様な意見の収集
「衆議」の段階で、様々な立場や専門性を持つ人々から幅広く意見を集めます。
●最終決定の一元化
「専決」により、一人の代表者が最終判断を下します。
●責任の明確化
決定の責任が一人に集中するため、accountability(説明責任)が明確になります。
この方法は、多角的な視点を取り入れつつ、迅速かつ明確な意思決定を可能にします。
ただし、代表者の判断力に大きく依存するリスクもあります。
<まとめ>
これら3つの判断基準は、それぞれの状況や組織文化に応じて使い分けることが重要
です。
ビルゲイツ流は、急速に変化する環境での迅速な対応に適しています。
本田流は、大規模な投資や長期的な影響を持つ決定に有効です。
三井住友流は、複雑な問題や利害関係者が多い場合に有用です。
リーダーは、これらの手法を状況に応じて柔軟に適用し、効果的な意思決定を行うことが
求められます。