サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。

2022.11.22

環境は人を創らない

ニューヨーク市は1980年代からアメリカ有数の犯罪多発都市となっていましたが、
1994年にルドルフ・ジュリアーニが市長に当選すると
「割れ窓ガラス理論」(軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、
凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論)を
活用して治安対策に乗り出しました。

•落書き、未成年者の喫煙、無賃乗車、万引き、花火、爆竹、騒音、
違法駐車など軽犯罪の徹底的な取り締まり
•歩行者の交通違反やタクシーの交通違反、飲酒運転の厳罰化
•路上屋台、ポルノショップの締め出し
•ホームレスを路上から排除し、保護施設に強制収容して労働を強制

などの施策をおこないました。

そして就任から5年間で犯罪の認知件数は殺人が67.5%、強盗が54.2%、
婦女暴行が27.4%減少し、治安が回復しました。
また、中心街も活気を取り戻し、住民や観光客が戻ってきました。

環境は、人を創るといわれています。
犯罪が多い街では、その環境に染まり犯罪をおこなってしまったり、
また、経済的な環境も犯罪などに強く結びつくとされています。
※参照ウィキペディア

ただ、私は環境だけで、犯罪が減少するのではないと感じています。
人は心の奥底で、犯罪などをしたくないと感じているはずです。
実際に環境に負けない人も多くいることも私たちは知っています。
苦しい環境に生まれながらも、それをバネに、社会に名を遺す素晴らしい人はたくさんいます。
もちろんその逆で良い環境に生まれているにもかかわらず、全てを失ってしまう人もいます。

人は犯罪を起こす資質があり、また同時に、善い行いをする資質も兼ね備えていています。
その分かれ道は、自分の心の働きによるものだと思います。

社会貢献性を本質的に考えていて、高遠な理想を思いめぐらせている人が、
邪悪な道に落ち、苦悩することは少ない気がします。
逆に邪悪な思いばかりをめぐらせている悪の王道を進んでいる人が、
気高い目標を達成して、真の幸せを感じるということも無いように感じます。

心は私達の身体の指揮者のようなものです。
どんなに困難環境においても、心が良い方向に向いていれば、身体は、自然とその方向に向きます。
目がその方向に向き、足がその方向に歩みだします。
真剣に追求しだすと、自分の周りに応援者が増えて、環境すらも変わります。

私は、環境や自分の才能の無さと戦うことをよくテーマにしていましたが、
この年になって気が付くことは、環境や才能によって生まれた結果だけではなく、
客観的に原因を探り、その改善に努めることが全てであるということです。

失敗の原因は、環境や生まれ持った能力から生まれたのではなく、
現実に目を向ける勇気が無かったことから生まれていると思います。

2022.11.15

自ら時代の色に染まるということ

毎年、季節の花……特に桜などが、3月の末くらいから咲き出してしまうと、
まだ少し咲くのには早いのになぁ~などと考えてしまいます。

春はやはり、4月が似合う。
新入生や新人が希望に胸を膨らませて、桜散る街並みのなか上を向いて歩くのが良いと思ってしまいます。
季節に合わせて、花は咲くのでしょうが、そのタイミングは、環境に合わせて微妙に変わるということは、
自分が生きながらえるために重要な本質であるという教えのような気がします。
実は、とんでもなくすごいことなのではないかと・・・

進んで時代の色に染まることは、生きるための知恵です。
話題性の高いものをいち早く取り入れ、その潮流に乗ることは、一番大事な「商売カン」でしょう。
何が今、売れるかを把握することは、とっても大事です。

洋服や化粧、食べ物や中にはスポーツの科学的な練習の仕方なども流行り廃りがあります。
商売カンの優れた人は、それがどこまで続くか?
表皮的な上っ面ではなく、深層心理的なことを見極めて、時代の変化をとらえるのでしょう。

商売の基本は、ベストセラーよりロングセラーなどとよく言われますが、
ロングセラーが出せる人は、ほんのわずかです。
そのうえ、ベストセラーよりも時代の話題性に左右されることが多く、それを狙うというより、
時代の変化をいち早く理解することが生き延びるコツなのかもしれません。

一世を風靡させることを「花を咲かせる」などと表現することもありますが、
季節の花すらもその環境によって、花の咲かせ方を変化させます。
環境の変化などは、自分で作ることはできず、
その適応能力こそが、次の世代に生き残る全てなのかもしれません。

2022.11.01

放任主義と育成主義

10月20日に日本プロ野球のドラフト会議が行われました。
六大学野球ファンとして、プロになりたいと志望届を出している選手が、
どこの球団に行くのかを楽しみに見ていました。

さて、プロ野球スカウトの方たちも今の時代は、選手の能力だけではなく、内面的なことも見ているようです。
かつては身体的な特徴「速い、大きい、力がある」などの能力を重視していたと思いますが、
今では「プロに向いた性格」であるかも見ているとのこと。

今の時代の指導方法においては、能力があるだけでは、なにか足りないものが出てくるようです。

プロ野球の指名に育成枠という制度があります。
あるスカウトの人は
「本当に育成であればよいのですが、育成ではなく、放任では、やはり人は育たないですね。」
と言っていました。

プロ野球でも人が育たないのか?? 
 
とそれを聞いたときに感じました。

選手を見出すのは、スカウトの力量ですが、その先はコーチや監督のお仕事となります。 

人と比較して、自分を高めることが大事なことのように言われていました。
今は、自分のスタイルを崩さず、そのままの自分で目標を達成することが良いとされているようです。

昭和の時代、王選手が最初から世界トップのホームランバッターを目指していたとは思えず、
努力の延長にそれがあったように感じます。
一方、イチロー選手や大谷翔平選手のように子供のころから、明確な目標を掲げて、
世界の舞台へ飛び込みながらも自分のルールで世界と戦う人は、他人との比較ではなく、
自分との闘いの中で己を高めて、それがどこまで通用するかを試しているのかなと思います。

高遠の理想を掲げる人は、放任で良いのでしょう。

素材の良さで、その大きな舞台に選ばれたにも関わらず、
努力をしないで、花開かず、去っていく姿を見るのは歯がゆく感じるものです。

大学時代の恩師、石井連蔵監督は、「真剣に取り組む人の持てる特権は、分厚い壁なんですよね。
その分厚い壁を破っていくことが、大事なのです。
もし、監督の仕事があるとしたら、その壁を作る環境を提供してあげることです」

とおしゃっていました。
プロ野球選手が育たないことをファンは、コーチや監督の責任であるとする風潮があるように感じます。
石井監督の言葉を借りれば、それは「環境を整えない」ことには一理あるかもしれませんが、
大前提は自ら、目標を作り壁にぶち当たっていくことです。

スカウトが、「能力」だけでなく「プロに向いた性格」も加味し、
選手に本物の「のびしろ」があるかを見極めるのは、大変な苦労があることでしょう。
それこそ数字だけでは、なかなか分からないものだと思います。

時代により変わり、人を選ぶ仕事。大変ですね。

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