サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。

2026.09.16

成し遂げるまで、やり抜く。―設立11周年に寄せて―

南アフリカの元大統領、ネルソン・マンデラは、かつてこんな言葉を遺しました。


「何事も成し遂げるまでは、
不可能に見えるものである。」

It always seems impossible until it’s done.

27年もの気の遠くなるような投獄生活を耐え抜き、アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃に大きな役割を果たした彼の言葉には、言葉にし尽くせぬ重い実感が宿っています。

私はこの言葉を反芻するたび、物事に向き合う「姿勢の差」について深く考えさせられます。

そこには、真に事を成そうと泥水をすする「当事者」と、安全な場所からその行方を見つめる「傍観者」との間にある、決定的な分水嶺が示されているように思えるのです。

世の中には、すぐに分かりやすい結果を求めたくなることがあります。

また、「前例がない」「本当にできるのか」と考え、確かな結果が目の前に現れるまで一歩を踏み出せないこともあるでしょう。

まだ形になっていない挑戦は、ときに「無謀」に見え、「不可能」に映るものです。そこに「正解」と呼べるものが存在しないからこそ、それは当然のことなのかもしれません。

しかし、新たな価値を生み出し、社会の困難な課題を打破するのは、いつの時代も「まだ誰も見たことのない景色」を信じて、泥臭く歩みを進めた当事者たちです。


成し遂げるまでの道中は、常に先が見えない暗闇の中にあります。


試行錯誤を重ね、失敗に直面し、周囲から疑念の目を向けられることもある。


それでも「これは必ず世のため人のためになる」という信念と誠意を胸に、一歩一歩の足元を照らしながら前進し続ける。


その積み重ねの果てに、ようやく「可能」という結果が立ち現れます。


11th ANNIVERSARY

設立から11年を迎えて

思えば、アースアイズを立ち上げてから丸11年が経ちました。

この11年間を振り返るとき、私自身、胸を締めつけられるような悔恨と反省を覚えることがあります。


「もっと良い結果を出すことができたのではないか」

「いったい自分は何をやってきたのか」――

自らの力足らず、不甲斐なさを前に、どうしようもない反省の念に苛まれる夜が数えきれないほどあります。

外から見れば、11年を経てもなお、私たちが目指してきたものを十分に形にできていない現状は、あるいは「不可能なことに固執している」ように映っているのかもしれません。

まだ十分な結果を示せていない以上、いかなる弁明も通用しない厳しさを身に染みて感じています。


だからこそ私は、自問自答するのです。

AIやセンシング技術の社会実装も、誰も挑んだことのない新しい防犯・見守りの仕組みづくりも、すべては暗闇の中に道を拓いていくような歩みです。

この11年間の歩みを誤魔化すことなく真正面から受け止め、省みるべきことは省みた上で、なお「社会に必要だからこそ、成し遂げる」という覚悟を捨ててはならないと強く思います。


成し遂げるまでは、すべてが不可能に見える。

ならば、成し遂げるまでやり抜くしかありません。


先が見えにくい時代だからこそ、私たちは決して自らを傍観者の位置に置くことなく、この暗闇の先にある光を信じ抜き、泥臭く一歩を踏み出してまいります。

2026.09.10

心の棘を取りましょう

皆さま、ご無沙汰しております。

約2か月ぶりの「サブロー通信」です。

この間にも世の中ではさまざまな変化があり、AIをはじめとする技術の進化の速さを、改めて感じました。

近年、AIやセンシング技術はめざましい進化を遂げています。

カメラが人の動きや予兆を捉え、ミリ波レーダーが非接触で生体情報を検知し、高度なアルゴリズムが空間の安全を支える――。

かつては想像の域を出なかった機能が、現場で活用される仕組みとして社会に実装されつつあります。

しかし、技術が人の「眼」となり、知覚の領域を広げれば広げるほど、私たちが決して見失ってはならないものがあると、私は考えています。


それは、その技術を何のために、
どのような志をもって使うのかという
「人の心」です。

江戸後期の儒学者・佐藤一斎は『言志録』において、


「凡そ事を作すには、
須らく天に事ふるの心あるを要すべし」

と説いています。

私はこの言葉を、人の思惑や目先の利害、虚栄にとらわれるのではなく、自らに与えられた役割に向き合い、世のため人のために誠を尽くすことの大切さを説いたものと受け止めています。

技術そのものには、それを何のために使うのかという意思はありません。「技術の眼」に命を吹き込み、それを真に社会を支える力へとつなげていくのは、私たちの側にある「誠意」と「公(おおやけ)に尽くす志」ではないでしょうか。

単なる効率化や監視のための道具ではなく、人の尊厳を守り、暮らしの不安を安心へと変えるための眼であること。目に見える成果や数字を追う前に、まず「天に事ふる心」をもって現場の課題と真摯に向き合うこと――。私は、そこに私たちの仕事の原点があるように思います。

人は、心に不安や恐れ、わだかまりという「棘(とげ)」を抱えていると、なかなか前向きな一歩を踏み出せないことがあります。

昔から「心技体」と言われますが、私は、心が整ってこそ、技術や身体も十分に活かされるのではないかと考えています。心に余裕があってこそ、日々の仕事に真摯に向き合い、未来に向けて新たな一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。

物質的な豊かさや技術が大きく進歩した今、これからはますます「心の豊かさ」が大切になる時代ではないかと、私は感じています。


人が心を豊かに保ち、自らの可能性を存分に発揮するためには、まず日々の暮らしにおいて、身体や財産が脅かされない「安心・安全の環境」が欠かせません。


私たちが磨き続ける防犯やセンシングの技術は、まさに人が心豊かに生きるための「揺るぎない土台」を支えるものだと考えております。


技術革新の波が加速する今だからこそ、私たちは足元を固め、この原点を胸に刻んで歩みを進めてまいります。

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