心の棘を取りましょう
皆さま、ご無沙汰しております。
約2か月ぶりの「サブロー通信」です。
この間にも世の中ではさまざまな変化があり、AIをはじめとする技術の進化の速さを、改めて感じました。
近年、AIやセンシング技術はめざましい進化を遂げています。
カメラが人の動きや予兆を捉え、ミリ波レーダーが非接触で生体情報を検知し、高度なアルゴリズムが空間の安全を支える――。
かつては想像の域を出なかった機能が、現場で活用される仕組みとして社会に実装されつつあります。
しかし、技術が人の「眼」となり、知覚の領域を広げれば広げるほど、私たちが決して見失ってはならないものがあると、私は考えています。
それは、その技術を何のために、
どのような志をもって使うのかという
「人の心」です。
江戸後期の儒学者・佐藤一斎は『言志録』において、
「凡そ事を作すには、
須らく天に事ふるの心あるを要すべし」
と説いています。
私はこの言葉を、人の思惑や目先の利害、虚栄にとらわれるのではなく、自らに与えられた役割に向き合い、世のため人のために誠を尽くすことの大切さを説いたものと受け止めています。
技術そのものには、それを何のために使うのかという意思はありません。「技術の眼」に命を吹き込み、それを真に社会を支える力へとつなげていくのは、私たちの側にある「誠意」と「公(おおやけ)に尽くす志」ではないでしょうか。
単なる効率化や監視のための道具ではなく、人の尊厳を守り、暮らしの不安を安心へと変えるための眼であること。目に見える成果や数字を追う前に、まず「天に事ふる心」をもって現場の課題と真摯に向き合うこと――。私は、そこに私たちの仕事の原点があるように思います。
人は、心に不安や恐れ、わだかまりという「棘(とげ)」を抱えていると、なかなか前向きな一歩を踏み出せないことがあります。
昔から「心技体」と言われますが、私は、心が整ってこそ、技術や身体も十分に活かされるのではないかと考えています。心に余裕があってこそ、日々の仕事に真摯に向き合い、未来に向けて新たな一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。
物質的な豊かさや技術が大きく進歩した今、これからはますます「心の豊かさ」が大切になる時代ではないかと、私は感じています。
人が心を豊かに保ち、自らの可能性を存分に発揮するためには、まず日々の暮らしにおいて、身体や財産が脅かされない「安心・安全の環境」が欠かせません。
私たちが磨き続ける防犯やセンシングの技術は、まさに人が心豊かに生きるための「揺るぎない土台」を支えるものだと考えております。
技術革新の波が加速する今だからこそ、私たちは足元を固め、この原点を胸に刻んで歩みを進めてまいります。


