サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
本ページでは、2019年4月〜現在までのサブロー通信をご覧いただけます。
2025.12.24
『プライド』
この言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
高級ブランドの服に身を包むこと。 誰もが羨むような高級車を乗り回すこと。
あるいは、派手な異性関係を誇示すること。
一見すると、これらはその人を「偉く、強く」見せるための行為のように思えます。
しかし、私はふと、ある疑念を抱くのです。
それは、自信のなさの裏返しに過ぎないのではないか、と。
臨済は、修行僧たちが経典や仏像といった「形式」ばかりに囚われ、自分自身の目で見たもの
かの英雄ナポレオンですら、自分の身長の低さにコンプレックスを抱き、あえて自分を大きく
見せるような肖像画を描かせたと言われています。(もちろん、政治的な意図もあったでしょ
うが)。歴史に名を残す英雄でさえ、何かしらの劣等感を抱え、それを隠そうとしていたので
す。そう考えると、私たちが自分にコンプレックスを持つのは当たり前だし、その弱さを着飾
って隠そうとするのも、無理のないことなのかもしれません。
では、着飾ることで生まれるのが「見栄」だとしたら、「本当のプライド」とは一体何なので
しょうか。
私が思うに、本当のプライドは「他人との比較」の中には決して生まれません。
「あの人より良い車に乗っている」
「あいつより金を持っている」
そんな他人軸の物差しで測っているうちは、それはただの虚勢です。
本当のプライドとは、「はだかの自分」と向き合うことではないでしょうか。
子供の頃、おねしょをして泣いた自分。人前で恥をかき、顔から火が出るような思いをした自
分。情けなくて、弱くて、どうしようもない自分。
そんな、決して格好良くはない「ありのままの自分」を知り尽くした上で、それでも逃げずに、その自分と全力で戦い続けること。
昨日の自分より、少しでも前に進もうと足掻くこと。
他人に見せるための鎧ではなく、自分自身を鼓舞し続ける魂のあり方。
それこそが、男が持つべき本当の「プライド」なのだと、私は信じています。
2025.12.17
「仏に逢うては、仏を殺し」~ 固定観念という“偶像”を壊す勇気 ~
少し過激に聞こえるかもしれないのですが、禅のある言葉をご紹介します。
それは、「仏に逢うては、仏を殺し(逢仏殺仏)」という言葉です。
「仏様を殺すなんてとんでもない!」と思われるかもしれませんが、これは中国唐代の
禅僧・臨済義玄(りんざい・ぎげん)が残した、非常に本質的な教えです。
私の勝手な解釈ですが、ここで言う最初の「仏に逢うては、」の最初の仏と後から出てくる
「仏を殺し」の仏は違う対象を指していると理解しています。
最初の「仏教の中にある本物の真理」を指し、「仏を殺し」は自分の頭の中で作り上げた
「仏=真理の固定観念」を指すのだと思います。
逢仏殺仏は、「真理を見出す機会に本当に恵まれたならば、今までの固定観念を完璧に捨て
て、その真理に委ねなさい」という意味(山内の私訳)だと勝手に感じています。
臨済は、修行僧たちが経典や仏像といった「形式」ばかりに囚われ、自分自身の目で見たもの
だけを信じようとする心を戒めました。たぶん、臨済は本当の悟りを知っていたのでしょう。
だからこそ、目で見たもの、頭で考えたものにこだわっても真理が生まれないことを説いたの
です。
「自分の中にある固定観念」や「権威への依存」、あるいは「過去の成功体験」にこだわるこ
とに前進はありません。これを、現代の私たちのビジネスや経営に置き換えると、ハッとする
ものがあります。
■ ビジネスにおける「仏」とは何か?
私たちにとっての「殺すべき仏」とは何でしょうか。
それは、業界の「常識」であり、「前例」であり、時に「自社の過去の成功」です。
「この業界は昔からこうだ」
「前回うまくいったから、今回も同じ方法でいい」
「偉い先生(権威)が言っているから間違いない」
こうした思考停止の状態こそが、臨済の言う「仏(=悟りを阻む障害物)」です。変化の激し
い現代において、過去の常識や権威にすがっていては、新しい価値を生み出すことはできません。
■ 破壊なくして、創造なし
私たちは今、AIカメラという技術で「安心・安全」の形を変えようとしています。
従来の防犯が「起きたことを録画する(事後対応)」という常識(=仏)に囚われていたとし
たら、私たちが目指す「予知・予防する(未然防止)」という新しい世界は拓けません。
「仏に逢うては、仏を殺し」
この言葉は、私たちへの強烈なエールです。
「誰かが作った正解」を探すのではなく、目の前の現実を自分の目で見て、自分の頭で考え、
新しい答えを作っていく。固定観念という偶像を壊したその先にこそ、真に人々の心を豊かに
するイノベーションが待っています。
常識を疑い、形式を破る。
そんな野生味あふれる精神で、今後も突き進んでいきましょう。
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