60歳で知る「畏る」の真髄! ~桐蔭還暦会で学んだ~
■「後生おそるべし」
先日、わが母校・桐蔭学園の学年還暦会に行ってきました。
赤いちゃんちゃんこは着ませんでしたが、集まった面々はみんな良い顔してました。
ただね、困ったことに、顔に覚えはあるんですが、名前がなかなか出てこない! (笑)
廊下ですれ違った、部活で見た、遠い記憶の片隅にはいるのに。
まぁ、それもまた、酒の肴になって面白かったんですが。
そんな旧交を温める場において、一段と味のあるご挨拶をいただいた方がいました。
■相良晴彦先生が教えてくれた「畏敬」の念
我々の古文の先生であり、ご列席いただいた相良晴彦先生からご挨拶を頂きましたが、これが
実に勉強になりました。先生は開口一番、笑いを取りながらこう仰った。
「こうせいおそるべし。ちゃんと漢字を書けるようにしろよ」
そして、あの鋭い眼光で、教えてくれました。
『こうせい、おそるべし』のおそるは、恐怖の『恐』ではないぞ。
相手をうやまう『畏る』だ。後から生まれてきたものには、我々は絶対に勝てない。
だから、後から生まれてきたものに畏敬の念をもって、対応すべきだ、ということだ
…これですよ!
■大谷翔平が示す「可能性」
我々には、若者がどのように成長していくのかなんて、本当に全くわからないですよね。
目の前の教え子が将来、自分などよりもはるかに成長し大谷翔平のようになる可能性を秘め
ていることも当然あるでしょう。その「無限の可能性」を引き出してあげることこそが、本
当の教育の姿なのかもしれません。
なんと、60歳にして、母校の先生から人生の真髄を教わった気分です。
学ぶというのは、本当に一生涯ですね。
■AIの時代にも通じる「後生畏るべし」
先生のこの言葉、今のAIの分野にも、そのまま当てはまるキーワードになると思いました。
「後から出てきたAI技術には、絶対に勝てない」
なぜなら、新しいモデル、新しいアルゴリズムは、過去のあらゆる知見とデータを深く学習
して生まれたくるからです。つまり、常に、
「蓄積したものが勝つ」
という構造になる。
人間も、AIも、後から生まれてくるものに畏敬の念を持って接する。
これが、これからの時代を生き抜くための「術」なのかもしれません。


