心を救うAIを創りましょう
現代社会において、物質的な豊かさを追求する傾向が強い一方で、内面的な
充足感や心の豊かさを重視する声が高まっています。真の豊かさは、物質的
なものだけではなく、心の充足感によって形作られるという考え方が根強く
あります。このような背景のもと、「心の時代」の到来が期待されており、
私たちはこの新たな時代に向けて心を救うAIの開発を目指しています。
心を救うAIの構想は、仏教的な思想やジョセフ・マーフィーが提唱した
「潜在意識の法則」など、さまざまな思想や哲学をヒントにしています。
六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、仏教において、心と体を清らかに
保つために行う修行の一つです。六根とは、目・耳・鼻・舌・身(体)・意
(心)の六つの感覚器官を指し、これらが感じ取る六つの対象(色・声・香
・味・触・法)との関わりを通して、私たちの心が乱されることがあります。
仏教では、身体的な五感の他に意(心)が機能として含まれていました。
少し、思想的ですが、、、心とは、心臓や脳の機能とは異なり、目に見えな
いが質量を持ち、形状が変化する存在として私たちの身体に宿ると考えられ
ます。もし心が物理的に見えるものであれば、心のケアも身体のケアと同様
に直接的に治療をするようになるかもしれません。
説明し難いですが、私は、身体の全ての機能は、心の為にあると感じていま
す。見たり聞いたりした情報は、神経を通じて脳に伝わりますが、その脳も
情報を処理するだけです。情報処理の方法や伝達方法が、人により大きな大
差はありませんが、人により判断や行動は、同じ情報でも大きく変わります。
これは、意=心の働きにより変わるものです。
身体の機能は、心を豊かにするためにある私は思っています。もし身体の全
ての機能が心のためにあると仮定できるなら、AIもまた心を整えるための道
具として活用できるはずです。
AIの進化は人間の能力を近い将来、超えると言われています。人間が出現し
た古代から、人間よりも優れた脳を持つ生物は存在しませんでしたから、自
分の知識を超えたAIの存在に対する恐怖を、人は少なからず持っていると思
います。
しかしながら、知能を単に脳の機能として捉えると、他の身体部位であれば
人間を超える能力を持つ生物はたくさん存在します。例えば、足の速いチー
ターや、力の強い象、においを敏感に検知する犬などがいます。これらの生
物は、特定の分野で人間よりもはるかに優れた能力を持っています。
AIは生物ではありませんが、人間の知能の一部を担うようになるかもしれま
せん。しかし、その場合でもAIを有効に利用することが肝心です。もし身体
の全機能が心のために存在すると仮定するならば、AIもまた心を整えるため
の道具として活用できるはずです。
実際には、人間の脳も含め、私たちの身体の機能が「心の働き」を支えるた
めにあると考えられます。その観点からAIを見ると、AIも心の道具であり、
私たちの心を整えるために使えるものに過ぎないということになります。今
後の社会の変化は、AIと共に進むことが避けられないため、この視点は特に
重要になってくるでしょう。
「潜在意識の法則」を提唱したジョセフ・マーフィーは、「自分の潜在意識
に刻み込んだことは、拡大され増大されて現実のスクリーン上に現れる」と
述べています。この理論は、心の力が現実を形作るという仏教的な考え方と
通じており、ポジティブな思考や願望が現実の変化をもたらすと考えられま
す。
これからAIが進化していく中で、身体や脳の代わりに機械やAIが進化すると
しても、最も重要なのは心を救うことです。仏教的に心を救うことを「済度」
と言いますが、これからのAIの発展においても、心を救う「済度」の思想を
取り入れることが、人間とAIの共存において重要な役割を果たすでしょう。