政治は「老害」 ネットは「若害」
最近のインターネット上では「老害」という言葉が頻繁に使われていますが、
この言葉には何となく違和感を覚えます。年配の人々が時代遅れの意見を持
つことが問題のように扱われるこの言葉は、「イングループ・アウトグルー
プバイアス」と「集団内帰属感」の現れであり、集団の結束を強めるために
他者を排他的に扱う心理現象を反映しています。
しかし、「老害」の存在を考慮すると、対照的に「若害」という現象も考え
られます。この若害、あるいは「ネット誹謗(ひぼう)」や「デジ毒(デジ
タルの毒)」という言葉は、インターネット上での毒舌や無責任な批判、誤
情報の拡散など、デジタルコミュニケーションの負の側面を象徴します。経
験が浅い若者たちが、瞬間的な情報に流されやすく、他人を簡単に非難し、
重大な結果を招くこともあります。
政治の世界では、高齢者が時代遅れの考えを持ち、新しい変化や若い世代の
声を無視する「老害」とされる問題があります。これらの固定観念は社会の
進歩を妨げる可能性があります。
しかしながら、問題の本質は「老も若も」なく、他人の話を聞かずに先入観
で物事を判断する人たちにあります。話を聞かない人には、納得させるため
に時間がかかることがあります。
「老害」と「若害」は、世代間のギャップと各世代の問題点を指摘していま
すが、根本的な問題は自分の了見が狭いことにあります。老害は過去に固執
し変化を恐れる問題であり、若害は経験不足と情報に流されやすい問題です。
これらの問題は世代を超えた理解と対話によってのみ解決可能であり、私た
ち一人ひとりが自己反省し、異なる視点を受け入れることが求められていま
す。
このデジタル時代において、世代間の橋渡しをすることの重要性を改めて感じ
ます。対話を通じて、互いの違いを理解し、協力して社会をより良いものにし
ていくことが重要です。