サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
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2022.05.10

理念ってなーに?

会社を作って、10年ほど経った頃だったと記憶しているので、30代後半の時の話です。

私が県の補助金申請をした際に、指導役として中小企業診断士の「コンサルタント」なる方が、

当時の会社にお越しくださいました。

いろいろと御指南いただいた後、その方から、「御社の企業理念は何ですか?」と質問されました。

実は、当時の私は理念を見つけられずにいました。(そして、そのまま20年ほど見つけられないままでしたが(笑))

自分は会社とほぼ一心同体だと思っていたので、会社の理念と言われても

「私自身の存在意義は?」「なぜ生まれ、なぜ生きている?」と聞かれているようなものでした。

そんなことを30代の私が答えられるはずもなく、私はこのコンサルタントの質問に質問で返しました。

「理念とは何ですか?」と。

そのコンサルタントの回答を、私は憶えていません。

残念ながら、私が欲した核心を突くような回答ではありませんでした。

それをきっかけに、「企業理念とは何か」の答えを求めて

様々な本を手当たり次第に読み漁りましたが、なかなか気持ちにヒットするものがありませんでした。

私にとって、どうしてもしっくり受け入れられなかったのは、

利潤と社会貢献という相反する概念でした。

それをいかに矛盾なく受け入れることができるか、葛藤のようなものがありました。

そんな中、やっと日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一の

「論語と算盤」という本に巡り合いました。

経営者に話しかけるような表現で、正義を持って進める事業家と

守銭奴の違いや企業の目標と個人の目標を合致させる指標について説いていました。

まさに多くの大企業の礎を築いた渋沢栄一がいたからこそ、今日の日本があると感じます。

また、欲求五段階説で有名なアブラハムマズローの「完全なる経営」も腑に落ちた1冊です。

人は本質的に、他人や社会に貢献し

それにより自分の尊厳を保ちたいという欲求をもっているとしています。

その欲求は「全ての人」にあり。その素晴らしい部分を高めることで、

組織や事業の貢献性に繋がると説いています。

人をコントロールする組織論ではなく、個人の心の動きを中心として企業ビジョン作り上げる考え方を

1960年代に描いていることは先進すぎると思える内容です。

21世紀も20年余りが過ぎましたが、これからは心の時代になってほしいと思っています。

物質主義のような他人よりも多くの物を所有していることを自慢するのではなく

心の豊かさを競い合う時代にしてほしいです。

心の豊かさとは、共に分かち合うことを競うように行うことです。

私は、AIを活用して自分だけでなく多くの人の心を豊かにしたいです。

例えば、AIが「お声掛けのタイミング」をお知らせすることで「犯罪を未然に防ぐ」ことができたり、

お互いが「挨拶」を交わすようになれたりしたら

心の豊かさがもっと拡がる気がします。

いつ起こるか判らない事故、高齢者徘徊、迷子、火災や万引などの犯罪を

AIカメラにより24時間365日見守ることで、不安を取り除き

安全な社会に貢献できるのであれば、世界に幸せの輪が拡がると思うのです。

心豊かにすることに理屈はいらないでしょう。

現在の私にとって理念とは、理屈で考えることでは無く

理屈なく心が躍ることを組織として掲げることだと感じています。

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