サブロー通信

サブロー通信は、アースアイズ代表 山内三郎が配信するメルマガです。
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2020.02.18

『しもやけ』と『働き方改革』

私が子供の時に住んでいた神奈川県の相模原市は、神奈川県でも大都会のイメージの横浜や爽やかな海のイメージの湘南などからは程遠く『さがみっぱら』と呼ばれるような地域で、その名の通り『原っぱ』だらけのところでした。冬の朝には庭のバケツの水が必ず凍っており、地面には霜柱が立っていました。
子供だった当時はまったく気にしていませんでしたが、その頃小学生が履く靴などは、おそらくかなりの安物で、冬場に凍った水たまりなどをバシャバシャ走り周っていると靴下がすぐにビショビショになっていました。
『足が冷たいなぁ』と思いながらも、そのままほったらかしにしていると、足の小指が赤く芋虫のように腫れあがり、かゆくなりました。それを見た父親が『それはしもやけだな。寒くて血の巡りが悪いんだ』と言って、わたしのかゆくなった足先を石油ストーブの前で揉んでくれたのを覚えています。最近では『しもやけ』になったという話もあまり聞かないような気がします。地球温暖化の影響で、冬がそれほど寒くなくなってきているのかもしれません。
昔は寒さがしみる冬に身体を温かくするマフラーやセーター、手袋などは手編みすることが愛情表現の一つだったような気がします。厳しい寒さをしのぐ暖かい手編みの衣類を身につけると、子供心にも母の愛情を感じたものでした。小学生の頃、母が編んでくれた手袋をはめていた記憶があります。残念ながらすぐに指の先に穴があいてしまうのですが、気にしないでそのままはめていました。
いつの頃からか手袋やマフラーは買うものとなり、現在ではかなり安価でどこでも買えます。1シーズンで使い捨てになってしまう場合もあり、愛情の象徴とは言い難いものとなりました。心を伝える『もの』ではなく、単に安くて便利な『モノ』となってしまったように思います。
長年使われたものでも、愛情のこもった手作りのものではないためか、愛着という言葉はあまり馴染まない感じがします。
日本では八百万の神と言われ、生物はもちろん長く使ったものにも『魂』が宿ると言われてきました。ただ、私ですら、20年以上使ってきた眼鏡のフレームが壊れかけ、買い替えようと思っている私は眼鏡に魂が入っているようには感じていません(笑)
仕事の効率化を図ろうとする「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりました。最近では、ビジネスホテルなどに行くと大変勉強になるのですが、AIコンシェルジュとでも言えるような色々な工夫があり、部屋から何かを尋ねようとフロントに電話する前に、自分のスマホで色々と調べられ、わかるような工夫をされていることが多いです。
ビジネスにおいては積極的に効率化を進めるべきだと私も思いますが、ただ、人間関係においては、心を運ぶ、繋ぐ、伝える、『もの』や『サービス』があっても良いかなと思います。
日本は『おもてなしのサービス』は世界一のレベルであると思いますが、その基本となるちょっとした細やかな気遣いが、効率化の中で省かれていくことは少し残念だなと思います
効率化というと、何か『楽になる』ことを追求することのように思われがちですが、不要に見えるものを省き、時間を節約した結果、大切なものを失う場合もあるということに気が付いたときに、本当の『働き方改革』になると思っています
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