社員の給料ってどう上げるの?
先日、韓国の大学生が当社を訪問してくれました。会社見学が目的でしたが、私
はふと、気になる韓国の物価の話を聞いてみました。
すると、日本と韓国(ソウル)の物価はほぼ変わらないという答えが返ってきた
のです。
日本はここ30年、物価を抑え続けてきました。世界中が物価高騰に悩む中で、
あたかも鎖国でもしているかのようなこの「抑制力」はある意味で日本の技術
力と安定性を示しているとも言えます。
物流、商流、情報が世界中でつながっているこの時代にどうして、日本だけ物価
が抑えられたのか? 私はこのことがほうがすごいことのように思えるのです
が、そこを議論しないことがちょっと不思議です(笑)
数年後には、これが世界で評価される日が来るかもしれません。そしてその時、
日本が再びチャンスを掴む未来があると感じます。
とはいえ、今の日本にとって最優先課題は「給与をどう上げるか」です。これ
は企業だけでなく、社会全体が直面する重要なテーマです。
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<日本企業が挑む「給与アップ」の手法>
給与を上げると言っても、その方法は多岐にわたります。単純にベースアップす
るだけではなく、企業ごとの工夫や戦略が求められます。
私自身、「給与アップ」は、単なる賃金の増額ではなく、さまざまな要素をクロ
スさせながら行うのが最善だと考えています。
1. 手当や報酬の見直し
・手当の拡充
住宅手当や子育て支援手当を見直し、従業員の生活費負担を軽減する企業が増え
ています。具体的な負担軽減は、従業員の満足度を向上させます。
・一時金の支給
物価高騰に対応して、一時的なボーナスや臨時金を支給する企業も多く見られま
す。これは即効性があり、生活支援として有効です。
・賞与の増額
業績連動型の賞与を増やすことで、企業の成長を従業員と共有する仕組みが広が
っています。
2. 福利厚生の充実
直接的な賃金アップだけでなく、福利厚生の充実を通じて
「実質的な給与アップ」を実現する企業もあります。
・社員食堂の無料化や補助金の増額
・保育施設の設置や利用補助の拡大
・健康診断や医療費補助の充実
3. スキルアップ支援**
長期的な視点で従業員の市場価値を高めることは、給与アップの基盤となります。
・教育訓練の強化
資格取得支援やオンライン学習ツールの提供などを通じて、従業員のスキルアッ
プを支援します。
・キャリア形成の支援
社内外の研修プログラムやキャリア開発プランの提供で、従業員の成長をサポー
トします。
4. 評価制度の見直し
・成果主義の導入
一律の賃上げではなく、個人の成果や貢献度に応じた評価制度を導入する企業も
増えています。これにより、従業員が正当に評価される環境が整います。
<「給与アップ」と「働く価値」の再設計>
給与を上げることは、単に金額を増やすだけではありません。それは従業員が
「ここで働いてよかった」と感じる環境を作ることです。そのためには次の視点
が重要です。
<働くことに希望を>
社員の給与を上げることは、働くことへの誇りや希望を従業員に感じてもらうた
めの手段です。賃上げを通じて、企業と従業員が一緒に未来を描き、成長してい
く姿を目指すべきです。
皆さんの職場では、どのような取り組みが進んでいますか?給与アップの方法を
再考し、働くことの価値を改めて見つめ直すことが、これからの企業と社会の課
題です。
給与のあり方は、企業だけでなく、社会全体を映し出す鏡でもあります。
私たち一人ひとりが「働くことの価値」を再考し、より良い未来を創るために共
に考え、行動していきましょう。