遅すぎる成長を楽しむ還暦の挑戦
「大器は晩成」とはよく言いますが、私はその「大器」をずっと隠したまま、数え年で還
暦を迎えることになってしまいました(笑)
今年で60歳、多くの人が老後や第二の人生について考え始めるお年頃です。しかし、私は
少し違います。覚えの悪い私は、ようやく社会や経営の全体像が見えてきたように感じて
います。
そして、その「遅すぎる成長」を楽しんでいる自分がいます。
還暦とは 干支は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせで構成さ
れ、60年で一回りします。この60パターンの組み合わせは「十干十二支」と呼ばれ、60年
後に元の暦に戻ることを「還暦」と表現します。つまり、60年は生まれ変わりを意味して
います。
私が起業したのは28歳のときでした。「世界に通用する組織を作りたい」と考えたのがき
っかけです。この志は、恩師である石井連藏先生の「世界に通用する人間になれ」という
言葉に深く影響を受けたものでした。 また、個人的な理由もありました。私は才能に恵ま
れた人間ではありません。個人の能力だけでは限界があることを痛感していた私は、組織
の力を信じる道を選びました。
「才能ある個人に立ち向かうには、組織力で勝負するしかない」
と思い、大谷翔平選手のような類まれな才能を持つ人たちに対抗できる組織を作ろうと決
意したのです。
それから今日まで、経営者として非常に長い「どん底」の時期を味わいました。試練の連
続でしたが、その過程で培ったのは、並外れた精神力と運です。経営者としての経験は、
試練と失敗の中で磨かれていくものだと実感しています。
そして、今、当社はようやく本当の成長期に入ろうとしています。この瞬間を心から楽し
みにしています。私たちの目指すのは、かつて日本が大きな志のもとで世界に羽ばたいた
企業のように、「世界に通用する組織」を作ることです。
お客様、株主、そして従業員–
すべての関係者とともに、この目標に向かって歩んでいきたいと思います。これまでの経
験を活かし、未来へ向けて一歩一歩進んでいくつもりです。
この挑戦には、皆様の力が不可欠です。お客様の声、株主のご支援、従業員の努力が一体
となることで、私たちの目標は実現に近づきます。どうか、これからの私たちの歩みを見
守り、そして力添えをいただければ幸いです。
遅すぎる成長…それは、ただの遅れではなく、豊富な経験をもとに新しい挑戦を始めるた
めのタイミングです。この還暦の挑戦を、どうか一緒に楽しんでいただけたらと思います。
これからも、何卒よろしくお願い申し上げます。