『我』をとる
私は昭和の人間で、特に「星飛雄馬世代」です。
そんな私には馴染み深い「血の汗流せ、涙を拭くな」ですが、令和の今日を生きる人々にとっては少々分かりづらい表現かと思います。
私がそうであったように昭和の星飛雄馬世代の人々は、苦労をすればその先に新たな素晴らしいものが待っていると教えられてきました。
ただ、私が経験して分かったことは、苦労をしてもその先には、やはり苦労しか待っていないということです。
苦労が染みついてしまうと、毎日の日々の戦いに負けてしまい、愚痴と人の批判を自分の糧にしてしまい、目標を見失います。
失敗の連鎖から抜け出せないのは、自信のない自分が、自分をより大きな人間に見せるために実現性の低いことを、あたかも現実のように語っているだけに過ぎません。
一発逆転を狙ってしまうので、どうしてもステップアップができません。
まずは、身の丈のところから小さな成功を収めていくことでその先が見えてくるのです。
「笑う門には福来る。笑門来福」いうことわざがあります。
福が来るから笑うのではなく、笑うから福が来ると言われてきました。
あくまで、笑うことが先です。
この「笑う」には、人の悪口や泣き言などを言わずに、より良い方向に目を向けることという意味があるように思います。
先に笑うことで、福はあとからついてきてくれるのであれば、自分が目を向ける先を良い方向に変えるだけで、福が訪れることになります。
確かに、よく笑う人にはどんなに困難な場面でも前向きに問題を解決する能力があるような気がします。