人はAIに偏見を持ちながらも、AIを使いだしている
21世紀も1/4が経過しつつあり、私が子供の頃に思い描いていた夢のある21世紀が
実現しつつある気がします。ロボット、電気自動車、ドローン、リニアモーターカー……
そして会話型AI。これから3/4の21世紀は、20世紀の人達が思い描いていた想像を
はるかに超えて加速度的に変化が生まれるかもしれません。
ほんの数年前に、シンギュラリティについて、話題になったことがありました。
AIに仕事が奪われるという恐怖だけに注目が集まりました。
「シンギュラリティ」とは、元々物理学用語で「特異点」を意味する言葉です。
特異点とは「そこから先はよくわからなくなる臨界点」という意味で、
この宇宙の物理の法則が適用できなくなるブラックホールなどは「特異点」と表現されます。
ブラックホールのシンギュラリティは計算不能なので、どうなっているのかわかりません。
AIのシンギュラリティとは、技術的進歩が急速に進化し、人工知能やロボット工学、
バイオテクノロジーなどの分野で、人間の知性や能力を超えた新たな技術が
生み出されることを指します。この特異点と言われるポイントを超えると道具としてのAIが
その範疇を超えて、その先は良く分からなくなると言われています。
一昔前、パソコンが普及すると「仕事が無くなる」と言われ、携帯電話の普及が始まると
「携帯電話に時間を取られている人間」などと滑稽な表現がされることもありました。
元々、人は、新たなことが拡がりだすと、旧態依然の仕事との摩擦をクローズアップします。
チャップリンのモダンタイムスのように機械が人の代わりになるとされた時代もありました。
AIについても昔から私達の頭にバイアスを埋め込んできました。
映画ターミネーター、マトリックス、私の世代は、2001年宇宙の旅のハル9000など
AIが人間を支配していくストーリーはいくつも思い浮かべることができます。
人はAIに偏見があります。ただ、それと同時にAIは多くの場面で有用な技術として
活用し始めました。例えば、AIは医療分野で病気の診断や治療計画の作成、交通分野で
自動運転車の開発、ビジネス分野でマーケティング戦略の改善などに利用されています。
AIも圧倒的な速さと便利さで、その警笛を「クローン羊ドリー」のように杞憂としてしまう
日が来ることでしょう。今後の社会の発展は、AIの進化と共にあります。
無駄なバイアスを排除した企業がより早く成功にたどり着くことは確実です。
伝統的な仕事や事業との摩擦は必ず起きるものです。それは、歴史が証明しています。
新たな進化が起きれば、衰退する仕事があるのは当たり前です。
私は、人の理性を信じています。
AIと人間の大きな違いは、生命=命があること そして、一人一人に心があり、人は感情を
持ち合わせていることです。矛盾していますが、人はその感情バイアスと便利さとの狭間で
迷いながら前進します。
AIを使うことも便利さと説明できない否定的な感情との間で、おそるおそる新たなものに
チャレンジをしていくのです。法的な整備は、当然必要な分野になりますが、
今後の社会の変化は、AIと共にあることは、もう、止められないのです。