『運が良い人』と『運の悪い人』を見極めることができますか?
かなり前のTVで、田原総一朗さんが、松下幸之助さんへインタビューした回想シーンを観たことがあります。
『どんな人を採用するのか?』という田原さんの質問に対して、松下幸之助さんは
『運のいい人』
と答えたそうです。田原さんは更に、
『そんなことが分かるのですか?』
と質問をすると松下幸之助さんはしっかりと目を見て
『分かる』
と応えたそうです
私はそれを視聴して、『なるほど、運のいい人を採用すればよいのか!』と思い、面接をするときに、『あなたは、ご自分で運がよいと思いますか?』と聞いています。
あまりにもストレートな質問ですが、私には、松下幸之助ほどの慧眼は、ありませんから、聞くのが早いと思って、質問をさせて頂いています。
ただ、困るのは、面接をされる側の人のようで、この予想しない、意図もわかりづらい質問にまともに回答できる人はほとんどいません。
ほとんどの人が迷いを生じた態度になり、素直な心ではない、取ってつけたような回答になります。
100人質問して、自分が『運が良い』と目をキラキラして自信をもって応えられる人は一人もいません。それくらいの確率です。
私は1000人以上の面接をしましたが、正確に『私は運が良い』と応えられたのは、1人だけです。
その女性は『私は本当に運が良いのです』と応えると、聞いてもいないのに、自分の運が良いエピソードをしゃべりだしました
その女性は、東日本大震災に見舞われたときに東北の実家に住んでいました。その大地震の時、家の裏山が崩れて、本当にすぐ近くまで、大量の土砂が流れてきたそうです。
家の庭は大変なことになったそうですが、家は、無傷だったそうです。それを楽しそうに『私は運が良い』と話していました。
彼女は、面接時に自ら説明していましたが、生まれながらの聴覚障碍者で、私の声はほとんど聞き取れず、私の言葉を口の動きで見極めていました。
楽しそうに話す彼女を見て私は、『運の良い人』という質問をしておきながら、正解を教えてもらった気分でした。
それは、『運の良い』と思う人も、『運の悪い』と思う人も、両者とも『思い込み以外』の何物でもないということです。
どうして、その違いが生まれるというと、人生を積極的に考えているか? だけのことです。運が良いと思っている人は、失敗しても、諦めず、さらに多くのことにチャレンジすることでしょう。
運が良いと思っていれば当たり前のことで、チャレンジを続けることは、成功確率が上がることを意味します。
逆に『運が悪い』と思い込んでいる人は、結局、俺ばっか・・・・とあきらめてしまうかもしれません。
私は即座に彼女の入社を決めました