サブロー通信

2019.12.09

サブロー通信:本を読まなくなった自分 座右の『書』1

社会人になってから、四十代後半までは多くの本を読みました。たぶん、1000冊近いのではないか?と思います。元々、読書はしている方だったとは思いますが、社会人になってからは、ビジネス書が圧倒的に多くなりました

ビジネス書を読むきっかけになったのは、三枝匡さんの「経営パワーの危機」だと思います。ビジネス小説風に書かれている内容は、ストーリーが分かりやすく、初心者の私にもすぐに読めました。三枝さんの三部作は楽しく読ませていただきました。

その頃は、まだ、ビジネス書を乱読するまでに至らなかったのですが、そのきっかけになったのは、当時契約していたコンサルタントからオススメされた書、P・F ドラッガーの「明日を支配するもの」だったと思います。調べてみると1999年の発行ですから、私は34歳から乱読が始まっているようです。自分で思っていたよりかなり遅い(笑)

ドラッガーは私には理解できないことが多過ぎましたが、その分からないなりに書かれている莫大な情報量に驚かされ、多くのことを吸収したい当時の自分には、意味が理解できなくても必要な書だったと思います。

確か、この「明日を支配するもの」の言葉だったと思いますが、『昔の生産性の向上は、人が長く働くか、激しく働くしかない』という言葉は当時の私に刺さりました。人の生産性が、時間的なことや筋力的なことに紐づいている限り、生産性の向上には限界がある。だから『知的生産性』が必要だと。人口減に必要なことは、一人当たり生産性を上げるしかないことは自明の理で、AI社会の入り口に立つ我々に当てはまる言葉です。

組織論を中心に書かれるドラッガーに対して、アブラハム・マズローの「完全なる経営」は心理学的な視点で個人の可能性を経営に持ち込んでいます。私の頭の中で、この二つ概念が常に対比していました。特にマズローは、性善説的な考えで『すべての人は、環境が整い、ポジションが上がり、期待されれば、その方向に進む』ことを前提に書かれています

当時の私には、それは人の理想に聞こえ、会社組織にあわせるには、課題があり過ぎるように感じていました。しかしながら、今の時代、組織よりも個人を優先するようになっていく考え方は、マズローの理想は現実になりつつあります。まさにこれから取り入れられていくものだと思います。5段階欲求の話ばかりが有名なマズローですが、1965年という54年以上前に経営書を書かれていることはまさに驚きです。

いずれせよ、ドラッガーの知的生産性を上げる組織論もマズローの個人的な欲求を満足させて行く知見も今後の社会には必要なものであると思います。